2004/09/08

掲示板として活用

今後こちらは、掲示板や日記のの代わりとして活用していこうかと考えています。
Livedoorは法律論主体ですが、こちらは雑文になります。

2004/08/20

引越しの通知

以後、Livedoorへ一本化します。

2004/08/01

見上げたもんだぜSousveillance(スーヴェイランス)

これは造語である。Surveillance(監視)の対抗概念としてのものである。SousveillanceもSurveillanceもどちらも監視であるという点で変わりはない。しかし大きな違いは、その接頭辞にある。"sur"は「上から、過度な」という意味に対して、"sous"は「下から、副次的な」という意味をもつ。もちろん今のところ辞書を見ても、"sousveillance"という単語は載っていない。
この言葉は、トロント大学のSteve Mann教授が提唱している。主に監視カメラに対する市民サイドの「下からの監視」といった意味をもつ。

2002年12月24日に、市民団体が監視カメラに報復する運動を行った。これについては、僕も以前書いたことがある。

たしかに面白い。我々は権利主体(Subject)である。それと同時に監視に従属(subject to)している存在でもある。
それはそうと、何で今頃こんなことを書いたのかというと、昨日から、五十嵐太郎著「過防備都市」を読み出したからである。それで思い出した。
読みはじめなので、それについては、また後ほど。

2004/07/28

<性同一性障害>男性から女性への戸籍変更認める 那覇家裁

 心と体の性が一致しない性同一性障害を抱える沖縄県内在住の20代の人に対し、那覇家裁は28日、男性から女性への戸籍の性別変更の申し立てを認める書面を本人に交付した。性同一性障害者の団体によると、今月16日に性別変更を認める「性同一性障害特例法」が施行されて以降、変更を認めたのは全国で初めてとみられるという。
 那覇家裁には、法施行日の16日付で申し立てがあった。
 性同一性障害者の団体「gid・jp」(東京都品川区)によると、これまでに東京、大阪、千葉など全国で11人の申し立てがあるという。(毎日新聞)
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時代は動き出した。

2004/07/27

球界再編

いそげ!今しかない。国会が始まると、とんでもないことになるぞ。

2004/07/26

イスラエルに抗議、「人間の鎖」90キロ ガザ入植地

ソースはこちら。

パレスチナ自治区ガザのユダヤ人入植者ら10万人以上が25日、ガザの入植地からエルサレムまでの約90キロを手をつないで結ぶ「人間の鎖」をつくって、イスラエルのシャロン首相が進めるガザの全入植地撤去計画に対する抗議を訴えた。ロイター通信によると、今年2月に同計画が明らかになって以来、最大規模の抗議活動だという。

 シャロン首相は05年末までにガザの21入植地を撤去する考え。参加者の一人は「この鎖は(計画への抗議の)強さを示すものだ」と同通信に語った。参加人数について、主催者側は20万人、警察当局は13万人などとしている。
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イスラエル分離壁の続報。

2004/07/21

暴力行為等処罰法違反

今回は自分の無知からの文です。失礼します。
最近話題となっている草加駅前交番のシカト事件。

その事件はこちらから。

そこで気になる法律が目に付いた。

暴力行為等処罰ニ関スル法律…ナニ?
ということで調べてみた。

第1条 団体若ハ多衆ノ威力ヲ示シ、団体若ハ多衆ヲ仮装シテ威力ヲ示シ又ハ兇器ヲ示シ若ハ数人共同シテ刑法(明治40年法律第45号)第208条、第222条又ハ第261条ノ罪ヲ犯シタル者ハ3年以下ノ懲役又ハ30万円以下ノ罰金ニ処ス
…とある。
今回の事件の場合は第208条(暴行)にあたる。
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第208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
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つまり、通常の暴行罪よりも集団性の危険さを考慮して量刑を課徴するものらしい。
ただし、いずれ傷害罪に切り替わるだろう。
それは勾留期限が切れてからの、例のあの再逮捕ってやつね。
だって「乗用車で別の場所に連れ去って暴行を加え、左腕と左足を骨折する重傷を負わせた 」のだから、傷害罪は余裕で成立している。

2004/07/18

参院選:1票の格差無視と無効求め提訴

ソースはこちら。
 11日に投開票された参院選について、「1票の格差を無視して実施したのは違憲だ」として、千葉県内の男性が、中央選挙管理会などを相手に選挙無効を求め、12日に東京高裁に提訴していたことが分かった。一方、東京都や神奈川県などの弁護士グループも、同様の訴訟を来月上旬に起こす方針という。 今回の参院選では、選挙区の議員1人当たりの有権者数比である「1票の格差」が最大5.13倍だった。最高裁は今年1月、最大5.06倍だった前回選挙について合憲としたものの、裁判官15人のうち6人が「違憲」の反対意見を示した。「合憲」とした9人のうち4人も「次回選挙も現状が漫然と維持されるなら、違憲の余地が十分にある」と指摘しており、司法判断が注目される。【渡辺暖】
*-*-*-ついに始まった。前回は2年半で控訴審判決まで達している。

2004/07/14

米上院、同性婚禁止の憲法修正案を廃案に

  [ワシントン 14日 ロイター] 米上院本会議は14日、同性婚を禁止するための憲法修正案の採決動議を48対50の反対多数で否決した。可決には賛成票60票が必要だった。
 同修正案は、採決に至らずに廃案となったため、少なくと大統領選が行われる今年は、事実上審議されないことになる。
 民主党のケリー大統領候補をはじめ民主党上院議員らは、共和党側が単に保守層の支持取り付けのために修正案を上程した、と非難している。(ロイター)
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ブッシュのキモが一つつぶれた。

2004/07/12

野球協約および統一契約書

今回の合併騒動にかんして、関係ありそうな部分を抜粋してみた。
なお、全文は、こちらから(pdf形式)。
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第1条 (組織および協約の当事者) セントラル野球連盟およびその構成球団とバシフィック野球連盟およびその構成球団(以下それぞれの連盟および球団を単に「連盟」および「球団」という)は、以下に記す協約を締結し、かつ日本プロフェッショナル野球組織を構成する。

第15条 (議長と議決) 実行委員会の議長は、両連盟会長が毎年交互に就任する。
議長事故あるときは、他の連盟会長が臨時に議長をつとめる。
議長は、委員としてのみ表決に加わる。
コミッショナーおよび各委員は議題を提案することができる。
議案の議決は出席委員数の3分の2以上の賛成を必要とする。ただし、第17条(審議事項)における審議事項中第1号、第2号、第3号および第4号に記載されている事項、ならびに第5号のうち重要な事項については、出席委員数の4分の3以上の賛成を必要とするものとする。
議長は実行委員会の議決事項を3日以内にコミッショナーに通告しなければならない。
コミッショナーおよびコミッショナー顧問は、実行委員会に出席して意見を述べることができる。
ただし、表決に加わらない。
[1980.3.31、1985.1.25、2002.7.9改正]

第17条 (審議事項) 実行委員会において審議すべき事項は左の通りとする。
(1)コミッショナーの選任。
(2)コミッショナー代行機関の設置。
(3)地域権の設定または変更、および球団呼称、専用球場の変更。
(4)この組織の参加資格の取得、変更、停止または喪失にかんする事項。ただし、コミッショナーまたは連盟会長が行なう参加資格にかんする制裁処分はこの限りではない。
(5)野球協約、これに附随する諸規程および選手統一様式契約書条項の追加、変更ならびに廃止にかんする事項。
(12)その他、コミッショナーが必要と認めた事項。
第1 号、第2号、第3号および第4号に記載されている事項、ならびに第5号および第12号のうち重要な事項については、オーナー会議の承認を得なければならない。

第19条 (特別委員会) 実行委員会の審議事項中、選手契約に関係ある事項については特別委員会の議決を経て、これを実行委員会に上程する。
特別委員会は両連盟会長、両連盟の球団代表委員各2名および両連盟の選手代表委員各2名計10名をもって構成する。
特別委員会は、実行委員会議長が議長となり、議長が必要と認めたとき随時招集される。
特別委員会は委員総数の4分の3をもって定足数とし、委員は球団代表委員の場合は所属する連盟の他の球団代表、選手代表委員の場合は所属する連盟の他の選手代表委員の代理出席を認める。
議案の可決は出席委員数の4分の3以上の賛成を必要とし、議長は委員としてのみ表決に加わる。

第27条 (発行済み資本の総額) この組織に参加する球団は、発行済み資本総額1億円以上の、日本国国法による株式会社でなければならない。ただし、1980年1月1日現在の既存球団は、この資金にかんする制限から除外される。

第31条 (新たな参加資格の取得、または譲渡、球団保有者の変更) 新たにこの組織の参加資格を取得しようとする球団は、その球団が参加しようとする年度連盟選手権試合の行なわれる年の前年の11月30日までに実行委員会およびオーナー会議の承認を得なければならない。
すでにこの組織に参加している球団が左記の各号のいずれかに該当するときも同様とする。
ただし特別の事情がある場合は、実行委員会はこの期限を延長することができる。
(1) 売買、贈与、営業譲渡、合併等その形式を問わず、球団が有する参加資格を他に譲渡しようとするとき。
(2) 球団の株主または新たに球団の株主となろうとする者が、逐次的に取得する場合および間接的に取得する場合を含め、球団の発行済み株式総数の49パーセントを超えて株式を所有しようとするとき。
(3) 球団の発行済み株式総数に対する所有比率に関わらず、球団の筆頭株主を変更しようとするとき。
(4) その他、球団呼称の変更の有無および株式所有名義の如何を問わず、その球団の実際上の保有者を変更しようとするとき。

第33条 (合併) この組織に参加する球団が他の球団と合併するときは、あらかじめ実行委員会およびオーナー会議の承認を得なければならない。この場合、合併される球団に属する選手にかんしては、必要により第57条(連盟の応急措置)および第57条の2(選手の救済措置)の条項が準用される。

第36条の4 (新参加球団) 新たにこの組織の参加資格を取得する連盟または球団は、野球協約および既に存在する連盟とその構成球団を一方の当事者とし、コミッショナーを他の一方の当事者として契約されたすべての約定事項を承認し、または継承し、かつこれを遵守しなければならない。

第36条の5 (新参加球団にたいする加盟料) 新たにこの組織の参加資格を取得した球団は、参加する連盟選手権試合年度の1月末日までに加盟料を支払うものとする。支払方法については実行委員会の議決により延納あるいは、分割による支払いも可能とする。
新参加球団の加盟料の金額は60億円とし、日本野球機構および同機構に既に属している全球団に分配され、各球団への分配金額は均等とする。

第36条の6 (既存球団の譲り受けまたは実際上の球団保有者変更にともなう参加料) この組織に加盟している球団の株式の過半数を有する株主、または過半数に達していなくても事実上支配権を有すると見なされる株主から経営権を譲り受けた法人あるいは個人は、参加する連盟選手権試合年度の1月末日までに参加料を支払うものとする。支払い方法については、実行委員会の議決により、延納あるいは分割による支払いも可能とする。その参加料の金額は30億円とし、当該球団を除く日本野球機構および同機構に既に属している他の全球団に分配され、各球団への分配金額は均等とする。

第57条 (連盟の応急措置) ある球団の事情により、その球団の選手、監督、コーチの全員が、この協約の拘束力の外におかれるおそれがある場合、この組織の秩序維持のため、応急措置として所属連盟がこれ等の選手、監督ならびにコーチの全員を一時保有することができる。このような事態が年度連盟選手権試合シーズン中に発生した場合には、シーズン終了の日から、またシーズン終了後に発生した場合には発生の日から30日間を超えて、前項の措置を継続してはならない。連盟が保有する期間における選手、監督、コーチならびにその他必要な範囲の職員の参稼報酬、手当および給料は連盟が負担する。
第1項の場合連盟会長は、前項の期間内に新しく球団保有者になろうとするものをさがし、その球団保有予定者と前記選手、監督、コーチならびに必要な範囲の職員との契約および雇傭につき斡旋を行なわなければならない。
前項の斡旋が失敗した場合、連盟会長は監督、コーチならびに職員を契約解除し、選手については第115条(ウエイバーの公示)の規定を準用して、ウエイバーの対象としなければならない。
なお、選手はこの措置に服従しなければならない。

統一契約書
第7条 (事故減額) 選手がコミッショナーまたは連盟会長の制裁、あるいは本契約にもとづく稼働に直接原因しない傷病等、自己の責に帰すべき事由によって野球活動を休止する場合、球団は野球活動休止1日につき第3条の参稼報酬の300分の1を減額することができる。ただし、傷病による休止が引き続き40日を超えない場合はこの限りでない。
第21条 (契約の譲渡) 選手は球団が選手契約による球団の権利義務譲渡のため、日本プロフェッショナル野球協約に従い本契約を参稼期間中および契約保留期間中、日本プロフェッショナル野球組織に属するいずれかの球団へ譲渡できることを承諾する。

2004/07/10

イスラエル分離壁は「違法」 国際司法裁が言い渡し

82061e1f.jpgソースはこちら。
イスラエルがヨルダン川西岸パレスチナ占領地で建設を進めている分離壁について、国際司法裁判所(オランダ・ハーグ、ICJ)は9日、「占領地での分離壁建設は違法にあたり、中止・撤去すべきだ」との勧告的意見を言い渡した。パレスチナ人に対する補償措置も求めるなど、イスラエル側の「全面敗訴」といえる内容だ。
 勧告的意見に法的拘束力はなく、イスラエル政府は勧告を拒否する姿勢を示した。しかし、イスラエル批判の国際世論が一層強まるのは確実だ。パレスチナ自治政府のアラファト議長は「パレスチナ民衆と世界中の自由な人々にとっての勝利だ」と歓迎した。
 勧告的意見はまず、「市民を守る手段は国際法に合致しなければならない」とし、「テロからの自衛権」を主張するイスラエル側の言い分を退けた。壁建設によりパレスチナ住民の通行が妨げられ、家屋の破壊も起きているとして、「東エルサレムを含む占領地域内での壁の建設は国際法違反」と判断した。
 その上でパレスチナ住民の人権を回復するために分離壁の建設中止と撤去を求めたほか、イスラエルは破壊、没収された財産・土地の返還や損失補償を行う義務があるとの判断を示した。15人の裁判官のうち米国人1人を除く14人が違法判断を支持した。
 国連総会は03年12月、分離壁を国際法上どう取り扱うかについて勧告的意見を出すようICJに求める決議を採択、ICJは今年2月から審理を続けていた。
*-*-*-
勧告的意見の原文はこちら。
このページからは、PDF形式、あるいは各裁判官ごとに分けられたファイルを入手できる。

CNNはこちら。

法的拘束力はない、あくまでも、勧告的意見であるが、これを受けて、次のような動きが起こっている。
国連、分離フェンス協議へ 国際司法裁勧告受け
<分離壁>アラブ諸国が撤去や建設断念の決議案、提出へ

2004/07/03

Flag Day…お詫び

すっかり忘れていた。
申し訳ない。
6/14は、アメリカの祝日、Flag Dayである。
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6月14日フラッグデー
1777年、「星条旗」を正式にアメリカ合衆国の国旗と定めた日。
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6/15付けで書いた「星条旗裁判:米連邦最高裁が門前払い 「忠誠の誓い」継続」は、それをすっかり頭から飛ばしていたので、なんともピンボケな記事となってしまった。
恥ずかしい。
その記事でも引用しているBarnette事件からちょうど61年後の6/14に判決が言い渡された。
Peter Irons著の"The courage of their convictions"では、次のようなくだりがある:
In deciding the Barnette case, the Supreme Court expressly overruled its Gobitis decision, only three years after it was issued with only one dissent. Under scoring the symbloic impact of this reversal, the Court struck down the West Verginia flag-salute law on June 14, 1943 -- Flag Day.
連邦最高裁がこのFlag Dayという日、そして、1943年にBarnette事件判決がその日に出されたことを意識していたのは明らかである。
それほどの政治的宣言を伴った判決であったということだ。

2004/06/30

分離壁を違法と認定、ルート再考命令 イスラエル最高裁

ソースはこちら。

イスラエルがパレスチナ人の土地を強制収用して分離壁を建設することが妥当かどうかが争われた裁判で、イスラエル最高裁は30日、収用決定の一部を取り消し、建設ルートの再考を政府と軍に命じた。ルートを決めるにあたってパレスチナ人住民への人道上の配慮が不足しており、違法と認定した。モファズ国防相は同日、これを受け入れると語った。
 イスラエル政府の分離壁計画責任者によると、これまでに分離壁をめぐる係争は40件近くあったが、収用決定が取り消されたのは初めて。最高裁は「通行ゲートの設置などでパレスチナ人にも配慮している」という政府の主張を明確に否定したうえで「ルートを変更することで安全の程度が下がるとしても、人道配慮のためには甘受すべきだ」とも指摘した。
 エルサレム近郊の分離壁ルート近くのパレスチナの自治体が、イスラエル政府とヨルダン川西岸地区の軍司令官を相手取り、収用決定の取り消しを求めていた。
 最高裁は、治安維持のために分離壁を建設すること自体は妥当だと認めたが、分離壁によってパレスチナ人の住民が自分の農地から切り離される実態を重視した。通行ゲートや許可証によって農地への通行は確保されるという政府側主張を退け、一部の収用決定を取り消した。
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CNNによれば、"Wall must not infringe on lives of Palestinians"である。歓迎すべきか?
むしろ、これは、イスラエル当局サイドにとっての、削りしろのようなものではないのか?ともあれ壁建設自体の合法性のお墨付きは得たわけである。今後はより人道的に壁を建設すればよい。

New York Timesより、双方の言い分:
Israel says that the barrier is strictly a security measure, intended to prevent Palestinian suicide bombings and other attacks, and that it could be moved or torn down at a later date. Palestinians denounce it as a land confiscation that would greatly disrupt the lives of many Palestinians and complicate efforts to establish a Palestinian state.
壁の目的は安全ととるか土地の収奪ととるか。また、一時的なものとみるかどうか。パレスチナ自治区(一方の言い分によれば自治政府)をめぐる領域確定はいまだに争いがあるところであり、今回の隔離壁確定はその既成事実となる可能性が大きい。つまり、イスラエル側からのハードな提案である。
一時的なものであっても、隔離壁によってパレスチナ住民の生活の実態がなくなる。どちらかのものであったものをどちらのものでもなくする効果がある。

CNNによれば、「分離フェンスの問題では、オランダ・ハーグの国際司法裁判所が今年7月9日に、国際法に違反するかどうかについて勧告的な判断を示す見込みで、今回判決が及ぼす影響が注目される」となっているが、それについてのイスラエルの対応も予想通りで、
[Gissin said the international court has no right to adjudicate the issue, and Israel will not recognize its ruling. "What the court in The Hague wants is that we simply have no right to self-defense," Gissin said. "It creates a dangerous precedent." ]
である。

隔離壁に関する情報はこちら。
アパルトヘイト・ウォール

2004/06/29

防犯カメラを店外にも サークルK、強盗続発で

ソースはこちら。

 愛知県などで強盗が急増しているため、コンビニの「サークルK」は7月以降、従来は店内だけだった防犯カメラを店の外側にも設置し、犯人の姿などを記録することにした。運営会社のサークルケイ・ジャパン(同県稲沢市)が29日、明らかにした。
 新しいカメラは入店者の人相や逃走用の車のナンバーなどが確実に写るよう、軒下付近に外側向きに付ける。7月以降に出店する店舗の経営者に設置を勧め、本年度中に約200店に導入する。店外へのカメラ設置はコンビニ大手ではセブン?イレブン・ジャパンに続き2例目という。
 サークルKが約850店ある愛知県では、昨年1年間にコンビニ強盗が過去最悪の75件も起きた。今年は6月下旬までに70件も発生。他の都道府県でも増加中だ。
 愛知県警生活安全部は「店外にカメラを置くことで、犯人の人相などがよく分かるようになり、犯人逮捕にもつながる」と歓迎している。(共同通信)
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昨日アマゾン(ここでも履歴はばっちり把握されているのだが…)で一冊の本を注文した。
Jeffrey Rosen, "The Naked Crowd: Reclaiming Security and Freedom in an Anxious Age"である。

この著者についての紹介は、こちら。

著者のローゼンは次のように語る:
民主主義国家においては、政府は国民の望むことを行なう。監視カメラと犯罪件数には関連性がないことを示す実際的な論拠があったとしても、国民がそのことに無関心だとしたら、政府が関心を持つ必要もない。監視カメラは安いし、気休めにはなる。もしこれらのテクノロジーで(人々が)安心すれば、パニックを起こすこともないし、おとなしく仕事に向かうだろう、というわけだ。費用対効果という視点で考えれば、監視カメラにも意味があるという言い方もできる。しかし、何らかの心理的なメリットがあったとしても、本当に効果のあるテロ対策に目が向かなくなるというデメリットの方が大きいと私は思う。

この本が、今後この問題を考えるときにキーとなる文献になりそうな予感がした。

実践団体として、
「監視社会を拒否する会」

外国人拘束者の異議申し立て権認める 米連邦最高裁

e2ccd32c.jpgソースはこちら。

米連邦最高裁は28日、キューバの米グアンタナモ基地に国際テロ組織アルカイダとの関連容疑などで収容されている外国人拘束者らにも異議申し立ての権利を認める判決を下した。ブッシュ政権はこれまで同基地内の拘束者をジュネーブ条約で保護される戦争捕虜ではなく、条約適用外の敵方戦闘員として扱い、無期限に拘束できると主張してきたが、見直しを迫られそうだ。
 最高裁はこの日、連邦憲法で保障される権利を政府が戦時下に制限できるかどうかを争ってきた三つの裁判について同時に判断を下した。
 同基地の訴訟は、アフガニスタンで捕らえられ、同基地に拘束されたタリバーン兵らの担当弁護士が身柄拘束に対する異議申し立ての是非を争ってきた。
 判決は、連邦裁判所が外国人拘束者の異議申し立てに対する裁判権を持っていることを6対3で認めた。多数意見の中でスティーブンス判事は「基地の外国人は、米国市民と同様に、連邦裁判所に訴える権利を与えられている」と指摘している。
 また、アフガニスタン戦争で捕らえられた米国籍のタリバーン兵ヤセル・エサム・ハミド捕虜が敵方戦闘員として扱われ、弁護士に会う権利などを制限されたことを争ってきた公判では、8対1で異議申し立てする権利を認めた。多数意見の中でオコーナー判事は「米国市民の権利について言えば、戦争状態といえども決して大統領に白紙小切手を与えるものではない」と指摘した。
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上のオコナー判事の陳述は"A State of War is Not a Blank Check for the President When it Comes to the Rights of the Nation's Citizens"である。

CNNはこちら。

HAMDI et al. v. RUMSFELD, SECRETARY OF DEFENSE, et al.
Souter, Ginsburg, Scalia, Stevensの4判事は、Hamdiの即時釈放を求め、SouterはHamdiを独房に隔離拘禁しているのは、ジュネーヴ条約に違反していると述べている。

RUMSFELD, SECRETARY OF DEFENSE v. PADILLA et al.
RASUL et al. v. BUSH, PRESIDENT OF THE UNITED STATES, et al.

2004/06/27

Internet under surveyllance 2004

「国境なき記者団 (reporters without borders)」のサイトでは、各国のネットでの言論状況について報告している。
日本はこちら。
エシュロンのアジア中継地であること、入国管理局が不法滞在と思われる外国人の情報提供をネットで呼びかけていること、サイバー犯罪条約などについて報告している。

2004/06/23

参院選:1票の格差 最高裁警告も何の是正もせず実施

ソースはこちら。

 「現状が漫然と維持されるなら、次は違憲の余地がある」。参院選の1票の格差をめぐり、最高裁が今年1月の判決でこんな警告を発したにもかかわらず、24日公示の参院選は何の是正もされぬまま実施される。東京選挙区(改選数4)と鳥取選挙区(同1)の格差は、前回01年参院選の最大格差5.06倍より大きい5.14倍(03年10月現在)。有権者から選挙の正当性への疑問も出る一方、対策を放置した政党や候補予定者から改革の姿勢は感じられない。
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くるぞ、くるぞっ。

前回では、多数意見(10-5)で合憲と判断されたが、補足意見で多数はのうち4名(裁判官亀山継夫,同横尾和子,同藤田宙靖,同甲斐中辰夫)が「仮に次回選挙においてもなお,無為の裡に漫然と現在の状況が維持されたままであったとしたならば,立法府の義務に適った裁量権の行使がなされなかったものとして,違憲判断がなさるべき余地は,十分に存在するものといわなければならない。」とした。
それに、反対意見(裁判官福田博,同梶谷玄,同深澤武久,同濱田邦夫,同滝井繁男,同泉?治)を足すと、単純計算で、今回の参議院選挙での定数が是正されないままの選挙は違憲となる。

1月14日判決の原告は早くも「警告で何も変わらない以上、選挙後すみやかに提訴して裁判所に明確な違憲判決を出してもらうしかない」としている。
半ば慣習行事となった印象もあった、定数違憲訴訟であるが、ついに、選挙が無効となるときがくるのだろうか?
選挙を無効とした場合、当然ながら、やり直しとなる。衆議院と異なり、参議院は半数の改選であって、半数は現職のままである。つまり、参議院としての機能に欠けるところはないために、衆議院よりも無効判決を出しやすいという側面がある。

判決文はこちら:
H16.1.14 大法廷・判決 平成15(行ツ)24 選挙無効請求事件

なお、非拘束名簿式比例代表制の合憲性についても判断をしている。それはこちらから。最高裁は合憲と判断している。

2004/06/22

年金改革法、条文ミス 上乗せ年金支給の根拠「消える」

ソースはこちら。

成立したばかりの年金改革関連法のうち、厚生年金保険法に改正すべき条文の直し漏れがあり、条文どおりに解釈すれば一部の上乗せ年金が支給できない可能性もあることが22日、明らかになった。
 直し漏れが分かったのは、会社員などが加入する厚生年金保険法の第44条。年金受給者の配偶者が65歳未満や子どもが18歳未満の場合などに、通常の老齢年金に加えて「加給年金」を支給することを定めている。
 改正前の44条は、通常の年金額を定めた43条に続く形で、「前条の規定にかかわらず、同条に定める額に加給年金額を加算した額とする」として、老齢厚生年金に上乗せして加給年金を支給することを規定していた。
 今回の改正では、43条に新たに2?5を付け加え、年金の給付額を抑制する「マクロ経済スライド」の内容を盛り込んだ。その際、44条は手直ししなかったため、44条の「前条」「同条」は、新たに加わった43条の5を示すことになり、上乗せ支給の法律上の根拠がなくなってしまった。浅尾慶一郎参院議員(民主)の指摘で分かり、厚労省も「チェック漏れだった」と認めている。
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改正前の条文はこうなっている(構造のみ)。
第43条 老齢厚生年金の額は…額とする。
2 老齢厚生年金の額については、…その計算の基礎としない。
3 被保険者である受給権者が…、年金の額を改定する。

第44条 老齢厚生年金の額は、受給権者がその権利を取得した当時その者によつて生計を維持していたその者の65歳未満の配偶者又は子があるときは、前条の規定にかかわらず、同条に定める額に加給年金額を加算した額とする。

この、傍線の「前条」が今度はこれに変わってしまった。
第四十三条の五 調整期間における基準年度以後再評価率の改定については、前条の規定にかかわらず、物価変動率に調整率を乗じて得た率を基準とする…(以下略)。

法律案はこちら。 根気のある方はご覧になってください。

で、どう対処するかは、再びソースより。
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社会保険庁によると、加給年金の支給対象者は03年3月現在で315万人おり、このままでは混乱も予想されるため、厚労省は善後策を検討し始めた。具体的には(1)秋までに国会に新たに改正案を提出する(2)正誤表で対応する(3)当面は法改正なしで運用し、将来の改正時に修正する??などが挙がっており、今後、内閣官房とも協議して対応を決める方針だ。
 ただ、参院選後の国会日程は固まっていないうえ、10月の法施行までの時間的な余裕は少ない。年金改革法の白紙撤回を要求している野党が、法改正に応じる可能性も低く、厚労省は「法改正時には、こうした『条文ずれ』はよくある。44条の『前条』と『同条』が43条を指すのは、流れから明らか」などとして、できれば法改正なしで乗り切りたい考えだ。
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流れとしては、正誤表となるのだろうか。

2004/06/21

「環境テロ」が過激化??FBI特別捜査官が警告

ソースはこちら

Kristen Philipkoski
2004年6月16日 2:00am PT  環境や動物に加えられる危害に抗議して暴力行為を働く「環境テロ」(エコ・テロリズム)は、米国内部からのテロ行為としては最大の脅威??米連邦捜査局(FBI)がこのような警告を行なった。
 1990年代初頭、イギリスやヨーロッパではバイオ企業の幹部や科学者が嫌がらせや暴力に悩まされていた。1996年には、こうした暴力行為が米国にも広がり始め、オレゴン州のウィラメット国有林で、デモ隊が米農務省林野部のトラックに火をつけるという事件が起こった。2003年の8月には、カリフォルニア州エメリービルにある製薬会社、米カイロン社で2個の鉄パイプ爆弾が爆発したほか、同年9月には、カリフォルニア州プレザントンにある健康・美容関連製品のメーカー、米シャクリー社でも爆発事件が起きている。
*-*-*-
目的が手段をすべて正当化するという、崇高なクルセイダーたち。
しかし彼ら/彼女らも、「目的がすべてを正当化する解決手段に反対するためにあえて最後の対抗暴力をもって解決を図る」"テロリスト"には無力なのだろう。

皇太子発言、党首討論でも話題に

ソースはこちら

 参院選公示を前に東京都内で21日に開かれた党首討論会で、皇太子さまの「(雅子さまの)キャリアや人格を否定するような動きがあった」との発言が波紋を呼んでいることが取り上げられ、小泉首相は「(皇室の)公務がお忙しすぎる。全く自由のない生活で、ご苦労が多いと同情申し上げている」としたうえで、「静かに見守ってあげた方がいい」と語った。
 民主党の岡田代表は「皇室のあり方に根本的な疑念が呈されている。国民にも世界にも、もっと開かれた皇室が必要だ」と指摘。公明党の神崎代表は「宮内庁は皇太子夫妻が自由に活躍できるような環境づくりにしっかり取り組むべきだ」と注文をつけた。関連して女性天皇については「女帝を認める方向で(皇室典範を)改正していいのではないか」と語った。
 社民党の福島党首は「皇太子さんは雅子さんを守りたいのだと思う」と発言を支持。男性天皇しか認めないのは「女性差別撤廃条約に反する」として皇室典範改正に賛意を示した。共産党の志位委員長は「発言の真意、背景を知りうる立場にない」と述べた。
*-*-*-
やっぱ、社民党はだめだな。 というより、福島がだめなのか。女性差別撤廃条約の対象となる一般的な女性と、皇族の女性とで、パラレルな思考を行っている。

簡単な補足。
奥平さんは、そもそも、天皇制自体日本国憲法の一般理念と乖離しているのだから、法の下の平等を天皇および天皇家に適用しようとすること自体がナンセンスとしている。
東大の石川健治教授は、制度体保障(制度的保障)は、日本国憲法においては、天皇家にこそのみ適用されるのではないかと示唆している。
「最も典型的な制度体保障は、実は、制憲者たる国民が、新たに創設された象徴という、きわめてデリケートな公職に対する人的リクルートメントを、伝統ある天皇家に依頼し、そのために、公法上の制度体としての天皇家の特権的地位を存続させた格好になっている、憲法第一章にこそ求められるはずである。…すなわち、制度体保障がなされた以上は、憲法典が存続する限り、その身分的特権は保障される。…ただしそれは、普遍主義的な「人権」の論理ではなく、憲法律レヴェルにおいて飛び地のように保存された「身分」「特権」の論理であって、その反面として、かかる特権の故に身分的義務が伴う。そうした義務から解放されるために、「人権」を援用することは論理的に不可能である。」(石川健治著、「自由と特権との距離」、日本評論社、236頁)

2004/06/14

星条旗裁判:米連邦最高裁が門前払い 「忠誠の誓い」継続

THE PLEDGE
I pledge allegiance to the flag of the United States of America,
and to the republic for which it stands, one nation under God,
indivisible, with liberty and justice for all.


 星条旗に向かって「神の下の一つの国」と唱える「忠誠の誓い」を公立学校の生徒に課すことが米憲法の政教分離原則に違反しないかが争われた裁判で、米連邦最高裁は14日、サンフランシスコ連邦高裁の違憲判決を覆し、原告の訴えを門前払いする判決を言い渡した。原告には提訴する法的資格がないとする形式的な判断で、「忠誠の誓い」の合・違憲性には踏み込まなかった。
 この判決により、公立学校での「忠誠の誓い」は従来のまま継続することになる。ただし、法律専門家らは同様の憲法論争が再度、展開されるとみている。
 原告はカリフォルニア州サクラメントの医師、マイケル・ニュードーさん(50)。「神の下」という言葉が米憲法の政教分離原則に違反すると主張し、娘(10)が通う小学校を管轄する市教育委員会などを相手に4年前に提訴していた。
 サンフランシスコ連邦高裁は02年、「神の下」という表現は「国家による特定宗教の支持にあたる」と判断し、違憲判決を下した。これに対してブッシュ政権や米議会が一斉に反発し、教育委員会側が上告していた。
 重要な憲法判断が予想されていたが、連邦最高裁は同日、ニュードーさんが離婚後に娘の養育権をめぐって元の妻と争いになっていたことを指摘し、「娘の完全な親権を持っておらず、親として訴える資格がない」と判断した。関与した8人の判事のうちレンキスト長官ら3人は「儀礼的・歴史的なもので違憲とはいえない」との個別意見を述べたが、最終的に憲法判断はなく、「肩透かし判決」になった。
 忠誠の誓いは、全米の多くの公立校で毎朝行われる儀式。生徒たちは星条旗を前に、右手を胸に当て、「私たちは神の下に一つになった自由と正義の国、合衆国に忠誠を誓います」と唱える。
 連邦高裁の違憲判決後に、米上下院は忠誠の誓いを支持する決議案を採択。また、5月発表のギャラップ調査では、国民の91%が「神」という言葉を含む現在の誓いを変える必要はない、と回答している。
*-*-*
判決の全文はこちら。
ELK GROVE UNIFIED SCHOOL DISTRICT et al. v. NEWDOW et al.

CNNはこちら。
http://www.cnn.com/2004/LAW/06/14/scotus.pledge/index.html

参考として、過去のFlag salute(国旗敬礼)の事例
Minersville School Dist. v. Govitis, 310 U.S. 586
West Virginia State Board of Education v. Barnette,319 U.S. 624

2004/06/08

権力--Gewalt--暴力

たまには、僕の専門のことでも。
いま、「暴力」、「権力」について勉強している。もともとは、カール・シュミットの例外状態を検討の対象としていた(これについては、http://www.dai-rol.netからどうぞ)。そこから進んで、法秩序の及ぶ範囲、さらには、法の強制力へと延びていった。もちろん、そこには、法の正当化根拠も含まれている。
タイトルにもあるとおり、ドイツ語は英語とは異なり、「暴力」と「権力」とは同じ言葉で、"Gewalt"となる。その感覚でいえば、「権利」、「法」も"Recht"である。名詞Gewaltは動詞waltenの受動名詞であり、「waltenされたもの」が語源である。"walten"とは「管理・統治する」という意味であり、したがって、Gewaltの考察においては「管理・統治する」のは誰なのかということが重要となる。これは、Gewaltの保持者(僕はGewalthaberと呼んでいる)と一致しないこともある。
さて、僕の思考のベースには、シュミットがあるのは当然だが、"Gewalt"を考えるにあたって、「暴力」では、ヴァルター・ベンヤミン(Walter Benjamin)を第二ベースとして、「権力」では、ジョルジョ・アガンベン(Giorgio Agamben)を第二ベースにしようと考えている。もちろん、両者とも、クロスして"Gewalt"を考察しており、パシッと分けられるものではない。今は、フーコーまであとちょっとである。つまり、まだ、足りない。その関連では、アガンベンは「ホモ・サケル」を読み直し中であり、なかなか面白い。
最近酒井隆史著「暴力の哲学」という本をたまたま本屋で発見して読んだ。なかなか面白かった。勉強になった。しかし、個人主義と全体主義とは必ずしも背反しないという指摘はもっともだが、そこで安易に集団性が必要と運んでしまったのは勇み足だった。
野にこもる修行僧的個人主義でない限り、集団性=社会性は、当然の前提となっていることであり、社会が共同体が国家が、すなわち、集団がいかなる性質を帯びているか、そしてその集団が「個」にいかなる影響を与えるのかを重視するのが個人主義の集団へのアプローチである。何らかの集団が必要というのは、何かを言っているようで、何もいっていないに等しい。
まあ、それよりも、本筋に戻そう。その本で気になったのはシュミットの有名な定義「主権者とは、例外状態に関して決定を下すものである」"Souverän ist wer über den Ausnahmezustand entscheidet."である。それをその本では「例外状態において」としている。この違いはとても大きい。同様のことを杉田敦法政大学教授もやっていた。ドイツ語の"über"+4格名詞は英語での"toward", "beyond"に該当する。つまり、通常状態から例外状態へと移行することを宣告する権限者"Gewalthaber"である。移行した後の例外状態においては宣告者が決断を下すものとは限らない。ヴァイマール憲法においては、大統領の権限であるが、その権限は上で述べた"die waltende Gewalt"なのであり、大統領に配分された権力である。大統領は主権の行使者であるが、主権者ではない。しかし、例外状態を宣告しうるという権限においては「至高(souverän)」である。
詳しくは、http://www.dai-rol.net/studies/papers.htmlで、「Carl Schmittの通常状態と例外状態」を見てほしい。これは、ずっと言ってきたことなのだが、どうも今でも見られたので、つい久しぶりに言いたくなった。

2004/06/06

<労災障害等級>人さし指の特別扱い70年ぶり見直し

 人さし指の特別扱いをやめます??。厚生労働省は、労働災害で手の指を切断するなどした場合の障害等級を、約70年ぶりに見直す。「銃の引き金を引く指」として特別視されていた人さし指を、中指、薬指と同等とするよう労働基準法と労災保険法の施行規則を改正し、来月1日に施行する。
 労災の障害等級表では、物をつかむなど手の基本動作に不可欠な親指を損傷した場合の補償が最も高く、次いで人さし指、中・薬指、小指の順だった。等級表は1936年に改正された工場法施行令を引き継いでおり、約70年ぶりの改正となる。戦前の陸軍身体検査規則では、人さし指を銃の引き金を引く指として高く評価し、欠損している場合は徴兵検査で不合格にしていたという。
 厚労省は98年に日本災害医学会から「人さし指を中・薬指より高く評価しているのは不合理」などの指摘を受けて検討。物をつかんだりする機能は、人さし指と中指、薬指とあまり差がないとの結論に達した。
 今回の見直しで、人さし指を切断した場合を10級から中・薬指と同じ11級に引き下げた。親指は9級のまま。小指は他の指に比べ重要度は低いものの再評価され、13級から12級に引き上げられた。【大石雅康】(毎日新聞)
*-*-*-
なるほどね。でも、人差し指で支えて中指で引き金を引くってやり方もあるよな。
障害等級表では、男女差がある。
7級はこれ。
(12) 女性の外ぼうに著しい醜状を残すもの
ついでにいうと、これと同じ。
(13) 両側のこう丸を失ったもの
で、男はというと、
(13) 男性の外ぼうに著しい醜状を残すもの ←12級

顔はやばいよ、ボディにしな。

2004/05/29

君が代斉唱の声量調査 福岡県久留米市教委

 福岡県久留米市教育委員会が、小中学校で今春に行われた卒業式と入学式の際に、君が代を歌う声の大きさを調べていたことが30日、分かった。市民の一部からは「なんの意味があるのか」と疑問の声も上がっている。
 市教委などによると、調査は市立の全小中学校計40校が対象。日の丸掲揚の有無を調べるとともに、各校長や出席した市教委職員に聞き取り調査をし、声量を大・中・小の3段階に分類した。
 「小」と判断された学校には口頭で指導もしたという。「小」の学校は卒業式では6校、入学式は5校だった。
 国旗・国歌に関する教育を徹底するよう求めた請願が市議会に出されたことを受け調査を実施したという。
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「大」には、口頭で賞賛?
またそんな、単純な。

学校の場では、「日の丸は国旗なのか、君が代は国歌なのか」という大人の争いとは、また、違った事情が渦巻いていることも、ちょっとは考えたほうがいいのではないだろうか。
教育委員会もそうだが、意図的に大きく、または小さく歌わせていたならば、教師も。

2004/05/24

群馬県があいさつ促す条例制定へ 県民から反発も


 群馬県は「全国初」と銘打って、県民にあいさつの励行や地域行事への参加を促すことを盛り込んだ条例を制定する。県議会へ提案し、6月施行の予定。
 正式名は、犯罪の抑制を目指して地域の連携強化を図る「治安回復推進条例」。県民からは「個人の自由の侵害」「地域行事と治安回復は別問題」など反発の意見も寄せられた。
 小寺弘之知事も気にしてか、検討会議では、「当たり前のことだが、できていない。あえて書いた」と趣旨説明。罰則はなく、「理念型の条例」と強調している。
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は?
罰則はなくても、挨拶をしなければ、条例「違反」であることに変わりはない。
統治機関が「挨拶をする」という道徳観念に立ち入ることは、慎重でなければならない。
これは原則である。
なので、私も、「当たり前のことだが、できていない。あえて書いた」

2004/05/16

国民年金未納問題と「2年間」

連日国民年金の未納者の問題が、ニュースに表れ、そこで、何年間未納だったとか、気づいて2年分はさかのぼって支払ったが、それ以上は、時効のために納められなかったと出てくる。
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(横浜)市長就任時、市長の個人事務所が未納に気付き、過去にさかのぼって1年11か月分(約30万円)を納付したが、6年10か月間、約100万円は未納。
中川経済産業相(50) 1983年12月の議員当選以降。2002年以降分を今年4月に納付
石破防衛長官(47) 6か月。ほかに2002年9月以降分を今年4月に納付
峰崎直樹参院議員(59) 11年5か月。うち2年分を今年4月に納付
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政治家個人の政治責任をいろいろと論議する必要もあるだろう。しかし、そこで、ちょっと待てよと思った。
時効である。消滅時効。

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第百二条
3  保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び死亡一時金を受ける権利は、二年を経過したときは、時効によつて消滅する。
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根拠条文はこれである。民法総則の消滅時効の例である。民法をやったことがある人ならばわかるかもしれないが、時効は当事者の一方が時効だと主張することによってはじめて効力が生じる。それを時効の援用という。そのくらいは、私が憲法専門だろうとなんとなく覚えている。一応民法総則は必修だったので。
他の例、たとえば、口座などは、10年で時効になるが、銀行の側でそれを援用しなければ、口座は存続する。援用したということは聞いたことがない。

そこで考えるのだが、今回、各政治家は「全額払いたかったのだけど、時効によって2年しか払うことができなかった」のである。少なくとも名目上はそうであり、現時点での実務はそうなっているようである。
つまりは、年金を納める側ではなく、納められる側、社会保険庁サイドで時効を主張しているのである。
もちろん、法的にはなんらの問題がない。
しかし、大きな疑問が残る。
年金を運営する側は、受け取りたくないのだろうか?
納められなかった者は、その期間に応じて、支払われる年金の額が減ることになる。年金を支払う額が少なくてすむから、援用したほうが得であるという考えのようである。
時効だから、ただちに、さかのぼって2年を超えた分は納められないのではない。社会保険庁の側が、時効を主張することによって、支払ってもらわないことを選択できる権利を行使しているのである。

それとも、この2年は除斥期間であるということなのか?
その点をクリアにしてくれる説明はないものか。

2004/05/11

ママの日

Lawrence LessigのWeblogより。
下と対比して読むといいのでは?
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8カ月前、いまは「ママ」といえるようになったすばらしい男の子の母となったわたしの妻は、昨夜ある母の日の物語について教えてくれた。そして今日、Mark Goldmanがそのきっかけとなった一編の詩を送ってくれた。

ほぼ600人に及ぶアメリカの母親たちが今日、みな同じひとつの喪失について思っている。他の場所でもまた無数の母親たちが。彼女たちは義務について、勇敢な行いと勇気について自分に言い聞かせる。だがわたしには、母であろうと父であろうと、一体どうすればそんな喪失に耐えて生きてゆけるのか理解できない。どうすればそれを理解できるのかも。

われわれは戦争による喪失を理解するように育てられた世代ではない。この戦争も、他のどんな戦争も。

母親たちが心安らかでありますように。

予言か?

下の引用は1927年に出版された著書の終わりの部分。
ナチスの行く末を予見することはできなかった彼だが、現在の世界状況は、たまたま、あたっていたようである。
かなり近いような気がするが、どうであろうか?
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経済的な基盤にたつ帝国主義は、もとより、たとえば信用の停止・原料封鎖・他国の本位制の攪乱等々の経済的権力手段を妨げられることなく使用でき、またそれによって切り抜けていけるような状態を、地上に招来しようと努めるであろう。そして、もしも、ある民族ないし他の人間集団が、この「平和的」手段の作用から逃れようとすれば、帝国主義は、それを「経済外的暴力」であるとみなすことであろう。帝国主義はまた、さらにきびしい、しかしいぜんとして「経済的」であるがゆえに(用語の上では)非政治的な、本質的に平和な強制手段、たとえばジュネーブの国際連盟が、国際連盟規約第十六条(一九二一年、第二回国際連盟総会決議第一四号)の実施上の「準拠」に上げている、非戦闘員に対する食糧輸送の抑止や飢餓封鎖のような強制手段を用いるであろう。あらに帝国主義はなお、暴力的な肉体的殺りくの技術的諸手段、すなわち、資本と知性とを動員した結果、いまだかつてないほど有用なものとなり、いざとなれば実際に用いられもする、技術的に完全な現代的武器を手中に収めている。このような手段を用いるについては、実は、本質的に平和主義的な用語が作り出されるのであって、そこにはもはや戦争という語はなく、ただ執行・批准・処罰・平和化・契約の保護・国際警察・平和確保の措置だけとなる。抵抗者はもはや敵と呼ばれず、その代わりに、平和破壊者・平和攪乱者として、法外放置され、非人間視される。また、経済的権力地位の維持ないし拡張のために行われる戦争は、宣伝の力で「十字軍」とされ、「人類の最終戦争」に仕立てられざるをえない。倫理・経済の両極性が、これを要求するのである

2004/05/10

自治体再編論議に関して

市町村合併の流れは進んでいるようであるが、やはりこの手の議論は、地方と都市とで、どこに生活しているかにより、どうしても、感覚的に合致しがたい部分がる。
私は横浜市民である。340万人の日本で二番目に大きい都市で、日本でもっとも大きい直近の行政単位に生活している。仙台市、さいたま市、北九州市を併せたよりも大きいと思ってもらえれば、その規模がわかるだろう。東京とは23特別区があり、800万人以上いても、各区で区長を公選し、区議会も存在している。
50万前後の市の結合体であると考えてもよい。
横浜は、普通の政令指定都市であるために、市としての権限は他の市よりも大きい。しかし横浜市の区は、東京都は異なり、区長は公選ではなく、区議会も存在しない。市民が参政権の行使によりアクセス可能な行政単位はいきなり340万人の単位となる。そのようなところはほかに存在しない。
自治体再編論が地方分権の流れであるととらえるならば、現在の横浜市の各区民は、地方内中央集権体制に置かれていることになる。
さらにいうと、横浜市は市内の交通の利便が思ったほどよくなく、さらにはそれなりに広大であるために、生活基盤がまったく異なる。私の住んでいるところは、海からは遠く、裏は畑であり、自転車でしばらく行けば、豚小屋もある。また、ちょっと足を伸ばせば蛍も飛んでいる。そこまで極端に言わなくても、たまプラーザの住民が大船の住民と利害を共通にすることなどほとんどないといってよいだろう。東海道文化圏と東急田園都市線文化圏とでは、相当程度かけ離れている。
一体、このようなことを言い出して、何につなげたいと思っているのかと、疑問に思うかもしれないが、地方分権は、住民自治をよりよく実現させる目的に尽くすという観点からすると、横浜においては、市町村分割がふさわしいのではないだろうか?
三つに分けたとしても、政令指定都市であることに代わりはなく、ダウンサイジングすることにより、利害調整はより小回りがきくようになる。
大きければよいのではないというのが、都市特有の悩みである。

2004/05/09

Winny作者逮捕

インターネットを通じ映画や音楽などのデータをやりとりするファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を開発し、利用者が違法コピーすることを可能にしたとして、京都府警は10日、東大大学院助手、金子勇容疑者(33)=東京都文京区根津2丁目=を著作権法違反(公衆送信権の侵害)の幇助(ほうじょ)容疑で逮捕した。プログラムの開発者が著作権法違反の幇助容疑に問われるのは全国初。
 府警ハイテク犯罪対策室などの調べでは、金子容疑者は開発したWinnyを02年5月上旬からホームページで無料配布。群馬県高崎市の風俗店従業員(41)=同法違反罪で公判中=らが昨年9月にこのソフトを使って米映画「ビューティフル・マインド」などの映画やゲームソフトを送信できるようにし、著作権を侵害するのを手助けした疑い。金子容疑者は昨年11月、高崎市の従業員らによる著作権法違反事件が摘発された際、自宅の捜索を受け、これまで任意の調べを受けていた。
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刑法第六十二条   【 幇助 】
第一項 正犯を幇助した者は、従犯とする。
第二項 従犯を教唆した者には、従犯の刑を科する。

Winnyは包丁か、それともショットガンか?

そういえば、忘れてた。

京都府警の捜査書類、ネット上に流出 Winny経由か
 京都府警は29日、捜査関係書類がインターネット上に流出していたと発表した。下鴨署の交番勤務の男性巡査が、実際に使ったり練習用に作ったりした捜査報告書などの文書19枚分で、実在する11人の氏名や住所など個人情報も記載されていた。インターネット上でだれでも閲覧できる状態だったという。府警は巡査が内部規定に違反していた可能性があるとみて、流出の経緯を調べている。
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正犯は逮捕しないのでしょうか?

2004/05/06

住みにくい国のはなしを二つ

ブッシュ風刺画で米の高校生を聴取 「過剰反応」と波紋
 イラク戦争反対のメッセージを込めて、美術の宿題でブッシュ米大統領の風刺画を描いた米ワシントン州プロサーの男子高校生(15)が、学校からの通報で駆けつけたシークレットサービスに事情聴取される出来事があり、「いくらなんでも過剰反応ではないか」と波紋を呼んでいる。
 地元紙によると、問題とされたのは、銃を持ったアラブ風の男が、ブッシュ大統領の頭が先端についた棒を手にしている作品。イラクでの戦争をやめるよう求める説明書きがついていた。驚いた教師が上司に報告し、上司が教育長、教育長が警察に連絡。警察からシークレットサービスにファクスで絵が送られ、23日の事情聴取となった。
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ムーア監督の米大統領批判映画、ディズニーが配給禁止に
 アカデミー賞を昨年受賞したマイケル・ムーア監督が、9・11同時多発テロをめぐってブッシュ大統領を批判した新作ドキュメンタリー映画「華氏9・11」が、北米でこの映画を配給するミラマックス社の親会社ディズニーの圧力によって、配給禁止の措置を取られたことが5日わかった。
 ムーア氏のウェブサイトなどによると、新作は今月12日からのカンヌ国際映画祭で初上映され、夏にも米国で封切られる予定だった。4日にディズニー側から配給の取りやめを通告されたという。
 ムーア氏は昨春、ミラマックス社からの出資を得て制作を始めた。オサマ・ビンラディン氏の家系を含むサウジアラビア王族とブッシュ家の関連や、9・11後のブッシュ氏の政治姿勢を批判的に描写する内容。タイトルは、思想統制のための焚書(ふんしょ)を描いて映画化されたブラッドベリの近未来小説「華氏451度」にちなんでいる。
 5日付ニューヨーク・タイムズ紙はムーア氏の代理人の話として、ブッシュ氏の弟が知事を務めるフロリダ州で、ディズニーがテーマパークの税金優遇措置を受けており、配給禁止は映画への反発から優遇措置が損なわれることを懸念したためと報じている。
 ディズニー側はこれを否定しているが、一方で「会社の利益を損なう映画の配給を止める権利がある」とも説明している。また、配給取りやめは昨年ムーア氏側に伝えたといい、「評判づくりのために映画祭直前になって公にした」と批判している。

2004/03/17

防犯カメラ条例が成立へ 東京・杉並区で全国初

 商店街などに防犯カメラを設置する際に届け出を義務付ける東京都杉並区の「防犯カメラ設置・利用条例」が18日、区議会本会議で可決、成立する。
 7月1日から施行される。カメラの犯罪抑止効果を認めながら、区民のプライバシーを保護するのが狙い。杉並区によると、設置や運用に関する条例制定は全国で初めてという。
 条例は、区や商店街組合、自治会などが道路や公園などの公共の場所に設置する防犯カメラが対象。店舗面積3000平方メートル以上の大型店や収容人数500人以上の興行場などの防犯カメラも規則で届け出義務を課すことを検討している。
 プライバシー保護のため、捜査機関など第三者への映像提供は法令の規定や撮影された本人の同意がある場合などに限定。罰則はないが、違反者に対しては区長が是正を勧告したり、違反を公表したりできるとしている。(共同通信)

2004/02/26

「憲法裁判所」を検討へ=最高裁の現状に不満−自民

 自民党憲法調査会の憲法改正プロジェクトチーム(杉浦正健座長)は26日夕の会合で、「憲法裁判所」の設置を検討していくことで一致した。今後議論を重ね、7月の参院選前にまとめる論点整理に盛り込む方針だ。憲法問題をめぐっては、民主党の菅直人代表も憲法裁判所設置を提言しており、憲法改正と併せ違憲審査の在り方も主要な論点となりそうだ。
 会合では、最高裁の現状について中山太郎衆院憲法調査会長が「違憲訴訟で判断を避けている」などの問題点を指摘。他の出席者からも「憲法解釈を内閣法制局に委ねず、民主的な仕組みに改めるべきだ」などの意見が相次いだ。今後、最高裁との関係を含め憲法裁判所の具体的内容を議論していくことになった。 (時事通信)
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当然の流れとしてとらえたほうがよいのだろうか。新しい憲法を作ろうと調査している人間が、変遷だの、解釈改憲だのを好ましく思うはずがない。
「憲法の番人」とは誰かであるが、それ以上に、このときの憲法の中身はどうなっているかというのも、重要であろう。
憲法裁判所の創設によって(つまり新憲法の下で)違憲とされる法律は、現行憲法の価値観に合致しており合憲である法律も論理必然的に違憲となることを覚えておいた方がいいのではないだろうか。
それがよいかどうかはまた別の問題である。ただそうだということだ。
なお、一応、システム的には、一般法で、憲法裁判所を設立することは可能だが、おそらくそれは面倒になるだろう。
1952年の最高裁判決で付随的違憲審査制を判例法上確立したので、これまたシステム的には、大法廷による判例変更で、抽象的違憲審査制にすることも可能である。
ただ、憲法裁判所は抽象的違憲審査制につながるわけではない。しかし、どうやら念頭にあるのは、抽象的違憲審査制のようである。
ついでに言えば、「憲法解釈を内閣法制局に委ねず、民主的な仕組みに改めるべきだ」とあるが、これは憲法裁判所について論議される場では、何の意味もない発言だろう。あるとしたら、ここでも裁判員が登場する場合くらいだろうか。
ただ、機能していないから新しく作ればいいじゃないかってのも、最高裁の側から言わせてもらうと、「おいおい」だろう。
だって、あんたたちを気遣って、今まで控えていたのにね。
立場ないよな。
早実初等部:総長自ら「7倍寄付金」要求 01年
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20040223k0000m040090000c.html

 学校法人早稲田実業学校(理事長・白井克彦早大総長、東京都)初等部が昨年秋の入試面接で募集要項の7倍の寄付金を要求していた問題で、入試初年度の01年11月、当時の早稲田大学総長で学校法人理事長だった奥島孝康氏(64)が、面接で自ら寄付金を要求していたことが関係者の話で分かった。奥島氏は総長退任後の02年と昨年の面接にも出席し、350万円の寄付金を求めていた。前総長の関与が明らかになったのは初めて。
 早実初等部の依田好照校長は、問題が発覚した先月の記者会見で、「1回目は、面接では(寄付金を要求した事実は)ありません」と述べていたが、事実と異なる可能性が強まった。
 初等部で初の入試面接(2次試験)があったのは01年11月12〜15日。受験した保護者らによると、3人1組の面接官が2班に分かれ、1次試験にパスした子供とその保護者を対象に実施した。
 その際、奥島氏は面接官の中央に座り、10〜15分間の面接の最後に父親に対して「新しい学校ですので、300万円ぐらいのものをいただければ運営が助かります」「入学されれば寄付はお願いできますね」などと確認を求めたという。
 複数の関係者は「面接会場で、しかも総長から寄付金を要求されたことに保護者はみんな驚いていた」「初等部の校長や教頭だけでなく経営側の責任者まで面接に出てきたこと自体、おかしいと思った」と証言する。
 翌02年、奥島氏は任期満了で総長を退任した直後の11月11〜14日の面接にも4人1組の面接官の1人として出席。前年同様、最後に「わが校は新しい学校を建て、借金で成り立っています。ご寄付を皆様から350万円いただくと成り立つのですが、いかがですか」などと要求したという。
 毎日新聞は初等部を通じて奥島氏に取材を申し込んだが、溝渕日出世・初等部事務部長が「1月の会見で説明しており、これ以上特に申し上げることはない。都から指摘された点については厳粛に受け止め、今後改善していきたい」と文書で回答した。
 早実はこの問題で先月、都から経常費補助金(私学助成)の2割にあたる1億242万円の減額処分を受けている。【千代崎聖史、横井信洋】
[毎日新聞2月23日] ( 2004-02-23-03:00 )
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なんでも真似をするけど、何をやっても慶應に勝てない、早稲田の真髄ここにありってか。
いっちゃおっかな。この、銭ガメが。

2004/02/19

憲法前文に「伝統」「愛国心」を 自民党PTが論点整理
http://www.asahi.com/politics/update/0219/005.html

 自民党憲法改正プロジェクトチーム(杉浦正健座長)は19日、05年11月に作成する予定の憲法改正草案のたたき台として、「前文」と「国会」「内閣」に関する論点整理案をまとめた。憲法前文については「書き換える」とし、日本の歴史・伝統・文化・国柄、健全な愛国心を盛り込み、9条の見直しを反映させる、などとした。小泉首相が提唱していた「首相公選制」については「反対が多数意見」として導入見送りの方向を打ち出している。
 論点整理案では、「憲法前文に盛り込む事項」として、現行憲法の国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の3原則を掲げた一方、「誤った平和主義、人権意識への戒め」も盛り込むべきだと指摘。党内の「国民の義務規定を明確化するべきだ」(幹部)などの声を反映した。また、今後の「安全保障」「戦争の放棄」を巡る議論の集約結果を前文に明記する狙いから、「9条の見直しを反映させる」とした。
 一方、首相が今年に入って検討を指示した「衆参二院制の見直し」については、賛否をめぐる議論がほぼ二分されたため具体的な方向は示さず、「賛否両論」の意見を紹介するのにとどまった。
 同チームは今後、「安全保障」「国民の権利」「地方自治」などについても議論を進め、夏の参院選までに、憲法全体にわたる改正内容の論点整理案をまとめる。これを受けて党憲法調査会が憲法改正草案のとりまとめに入る。
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「日本の歴史・伝統・文化・国柄、健全な愛国心を盛り込み、9条の見直しを反映させる」とあるが、どこまでできるか楽しみなもんである。
気持ち悪いやつらだなって思うのは、僕が「健全」じゃない愛国心の持ち主だからだ。
「愛国心」という、行動と結びつくことなく存在しうる領域の多い事柄に、「健全」というこれまた行動と結びつくことなく存在しうる用語で制限を試用とする場合には、その制限の度合いは、どうしても、制限しようと思う側が強いか、そうでないかに、左右されることとなる。
つまりは、「健全」とは何かをめぐってである。

前にも言ったことだが、「国民の義務規定を明確化するべきだ」(幹部)とのことは、そうしたいならば、そうならなかった場合に、公職を辞去する覚悟をもって言ってもらいたい。そういうあなた方は、自分が権力のサイドにいると気づいているのだろうか?「兼職」は不可能じゃない?
自分がコントロールされる側だと、教わらなければ、わからないんだろうかね

2004/02/15

有期刑、最長30年に延長 97年ぶり刑法大幅改正
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040210-00000161-kyodo-soci

 野沢太三法相は10日、治安の悪化や犯罪の凶悪化に歯止めをかけるため、罰則強化や公訴時効期間延長を柱とする刑法・刑事訴訟法など刑事法改正要綱を法制審議会(会長・鳥居淳子成城大教授)に諮問した。
 凶悪犯罪の法定刑を引き上げ、有期刑の上限を最長30年に延長する。集団による女性暴行事件が目立つことから集団強姦(ごうかん)罪を新設するなど性犯罪を厳罰化、殺人など死刑に当たる罪の時効を15年から25年にする。
 刑法は1907年の制定以来全面的な見直しがなく「国民の意識とのずれ」が指摘されており、97年ぶりの大幅改正となる。法務省は法制審の答申を受け今秋の臨時国会に改正案を提出する方針。成立すれば年内にも施行する。(共同通信)
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いきなり刑法についての無知を露呈するが、人を殺して10年逃げている人は、あと5年でいいのだろうか?
それとも、15年になってしまうのだろうか?
うーん…
やはり、5年だと思うのだがどうなのだろう。
どうも、自分がそうなったときのことを真っ先に考えてしまうのは、法的思考のバランスばいいのかもしれないが、抽象的危険性を感じさせるものかもしれない。

2004/02/10

「言葉の暴力」もDV、元配偶者も対象に DV法改正案
http://www.asahi.com/politics/update/0210/009.html

 参院の超党派議員でつくる「ドメスティック・バイオレンス(DV)防止法見直しに関するプロジェクトチーム」(座長・南野知恵子自民議員)は10日、同法改正案の骨子をまとめた。配偶者だけだった保護対象に元配偶者なども加えるほか、言葉の「暴力」もDVに位置づける。今国会で、議員提案による法改正をめざす。
ただし、言葉の暴力は、行政による救済にとどめ、保護命令制度の対象外とする。

 このほか、風俗産業などで働く外国人女性がDV被害にあっても十分な保護が受けられなかったことに配慮して、「職務関係者は、被害者の国籍、障害の有無等を問わず人権を尊重すべき」と規定する。
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低脳な思いつき。
そのレトリックと法律上の暴力概念とを区別できないことが、「暴力」の定義にいかなる危険を及ぼすのか理解できないのだろう。
さらに、彼らは結局のところ、憲法の基礎理念であり、三大原則の一つである、基本的人権の尊重に対して軽い意識しか持ち合わせていないことが、これにより露呈されている。
「人権を尊重すべき」ことは、彼奴等の改正案を必要としない。
実定法規範である憲法にかかれていながら、充分に実現されていないことを、新たな法文により実現しようとする態度は、本末転倒であろう。
立法府の人間の考える思考順序ではない。
きわめて場当たり的。穴の開いた水がめから水が漏れないようにするために、水を抜けばいいというようなものだ。
じゃあ、水はどうするのだ?

2004/02/03

電車内盗撮の痴漢えん罪ネット元代表に執行猶予付き判決
http://www.asahi.com/national/update/0203/025.html

 電車内で女性の下半身を盗み撮りしたとして東京都迷惑防止条例違反の罪に問われた「痴漢えん罪被害者ネットワーク」の元代表で無職の長崎満被告(47)に対し、東京地裁は3日、懲役6カ月執行猶予4年(求刑懲役6カ月)の判決を言い渡した。水上周裁判官は「犯行後に携帯電話を壊して罪証隠滅工作をするなど悪質だ」と述べた。
 長崎被告は公判で、「酒に酔っていて記憶がない」と述べたが、判決は「証拠上、酩酊(めいてい)していたとは到底認められず、反省しているのか疑問だ」と批判した。
 弁護側は「画像には下着が写っていないから罪にあたらない」と無罪を主張したが、「スカートの中を狙っており、社会通念上、ひわいな行為で違法だ」と結論づけた。
(02/03 19:42)

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弁護側の主張はむなしい限り(太ももは写っていたんだろうなあ…、まあそれも関係ないけど)だが、例えば、記録媒体をセットしていないデジカメで、シャッターを押したらどうなんだろうかということになると、ちょっと難しいことになる。下着が見えるアングルで、撮影行為をすることがいけないのか、それとも、再現可能な形で残すことがいけないのか。

東京都迷惑防止条例 第5条(粗暴行為の禁止)
1. 何人も、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しくしゆう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。

漠然とした規定だが、スカートの隙間を狙って撮影する行為が、上に該当するかどうかである。まあ、該当するだろう。
もちろん、この条例が、違憲、違法でない場合であるが。

2004/01/19

カード決済:電話番号の記入不要 都消費生活センターが注意
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20040119k0000e040066000c.html

・クレジットカードで買い物する際、店側が自宅電話番号を伝票に記入させトラブルにつながるケースが相次いでいる。国際電話に不正使用されたとみられる被害も発生した。東京都消費生活総合センターは「カード決済はサインだけでできる。 店が求めても、電話番号を書く必要はない」と注意を呼びかけている。

 東京都の20代女性は昨年春、覚えのない国際電話料金をカード会社から請求された。不審に思って問い合わせたところ、カード番号と自宅電話番号さえオペレーターに伝えれば、料金後払いで国際電話ができる仕組みになっていた。唯一の心当たりは、代金をカードで支払った家電量販店で、サインの下に電話番号を書いたことだったという。
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個人情報の管理。僕自身も、いわれたら書いていたな。

2004/01/16

9条・前文以外の改正に柔軟姿勢 社民党幹事長
http://www.asahi.com/politics/update/0116/011.html

 社民党の又市征治幹事長は16日の記者会見で、自民、民主両党が憲法改正を打ち出したことに関連し、「(社民党は)あくまでも9条や前文を守るために護憲を主張している。その他の部分すべてがいいと言っているわけではない。環境権やプライバシー、知る権利、国民投票法が書かれてもいい」と述べ、9条と前文以外の条文の改正に柔軟な姿勢を示した。その一方、又市氏は、同党自ら憲法改正を提起することには慎重な考えを強調した。 (01/16 21:11)
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おやおや

2004/01/14

一票の格差5.06倍に合憲判決 反対意見6人 最高裁
http://www.asahi.com/national/update/0114/022.html

 非拘束名簿式比例代表制が導入された01年7月の参院選をめぐり、首都圏の弁護士らが中央選挙管理会などを相手に選挙無効の確認を求めた四つの訴訟で、最高裁大法廷(裁判長・町田顕長官)は14日、上告審の判決を言い渡した。一票の格差が最大5.06倍となった選挙区の選挙について、15裁判官のうち9人の多数意見で「合憲」と結論づけたが、6人は「違憲」とする反対意見を述べ、うち1人は「選挙を無効とすべきだ」と指摘した。比例区の非拘束名簿式については、15人全員一致で「合憲」と判断した。
 参院では94年の「4増4減」に続いて、00年にも定数4の3選挙区を人口が少なかった順に2人ずつ計6議席減らすなどの定数是正が実施されたが、一票の格差はむしろ拡大して5倍を超えた。
 一票の格差をめぐって、原告側は、投票価値の平等は憲法上の要請だと主張。そのうえで、「都道府県単位の選挙区を合区して人口比例配分原則に基づいた議員定数を配分しなければならないのに、都道府県単位を維持し、かつ各選挙区ごとの定数を偶数に固定しているのは、国会の立法裁量の限度を超えて違憲だ」と指摘した。
 これに対し、多数意見のうち町田長官ら5人は、自治体が持つ社会的、歴史的背景を踏まえて、都道府県単位制を維持することは国会の立法裁量権の範囲だと指摘。定数を1人などの奇数とすることも、選挙区議員が不在となる場合があることなどを指摘して退けた。
 だが、泉徳治裁判官ら6人は「定数配分規定は憲法に違反する」と反対意見を述べた。このうち5人は、いわゆる「事情判決」の法理を適用して選挙自体は有効としたが、深沢武久裁判官(退官)は「選挙は無効だ」と述べた。
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面白い点としては、第一審の管轄が東京高等裁判所となっている点。

公職選挙法の定める各選挙の当選の効力に関する訴訟(同法第203条第1項、第204条、第207条第1項等)では第一審の裁判管轄は東京地方裁判所あるいは各高等裁判所の専属管轄となる。

第203条 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙において、前条第1項の異議の申出若しくは同条第2項の審査の申立てに対する都道府県の選挙管理委員会の決定又は裁決に不服がある者は、当該都道府県の選挙管理委員会を被告とし、その決定書若しくは裁決書の交付を受けた日又は第215条の規定による告示の日から30日以内に、高等裁判所に訴訟を提起することができる。

第204条 衆議院議員又は参議院議員の選挙において、その選挙の効力に関し異議がある選挙人又は公職の候補者(衆議院小選挙区選出議員の選挙にあつては候補者又は候補者届出政党、衆議院比例代表選出議員の選挙にあつては衆議院名簿届出政党等、参議院比例代表選出議員の選挙にあつては参議院名簿届出政党等又は参議院名簿登載者)は、衆議院(小選挙区選出)議員又は参議院(選挙区選出)議員の選挙にあつては当該都道府県の選挙管理委員会を、衆議院(比例代表選出)議員又は参議院(比例代表選出)議員の選挙にあつては中央選挙管理会を被告とし、当該選挙の日から30日以内に、高等裁判所に訴訟を提起することができる。
第207条 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙において、前条第1項の異議の申出若しくは同条第2項の審査の申立てに対する都道府県の選挙管理委員会の決定又は裁決に不服がある者は、当該都道府県の選挙管理委員会を被告とし、その決定書若しくは裁決書の交付を受けた日又は第215条の規定による告示の日から30日以内に、高等裁判所に訴訟を提起することができる。

今回は、204条の例

2004/01/13

米国、外国人の入国時に指紋と写真のバイオメトリクス登録を開始
AP通信
http://www.hotwired.co.jp/news/news/20040107205.html

2004年1月5日 9:21am PT  米国当局は5日(米国時間)、新たなプログラム『米国出入国現況表示技術』(U.S. Visitor and Immigrant Status Indicator Technology:US-VISIT)の一環として、入国する外国人の指紋スキャンと顔写真の撮影を開始した。
 US-VISITの目的は、税関職員が移民や訪問者の犯罪歴を瞬時にチェックできるようにすることだ。国際便が乗り入れている米国115ヵ所の空港と、14ヵ所の主要な海港から入国する外国人を対象としている。例外として、ヨーロッパ地域など27ヵ国[日本も含まれる]の国民は、米国での滞在期間が90日までの査証(ビザ)を必要としない渡航の場合、このプログラムによるチェックの対象とならない。
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去年からのことだったが、日本はまだ平気だったようである。なーんだ、じゃあ、いいやと、一瞬思ってしまった、ぼくは、甘いのだな。
日本も導入を検討している。
この免除国にもれた、ブラジルでは、報復として、ブラジルを訪れるアメリカ人に同等の措置をせよとの裁判所命令が出ていた。