2004/06/23

参院選:1票の格差 最高裁警告も何の是正もせず実施

ソースはこちら。

 「現状が漫然と維持されるなら、次は違憲の余地がある」。参院選の1票の格差をめぐり、最高裁が今年1月の判決でこんな警告を発したにもかかわらず、24日公示の参院選は何の是正もされぬまま実施される。東京選挙区(改選数4)と鳥取選挙区(同1)の格差は、前回01年参院選の最大格差5.06倍より大きい5.14倍(03年10月現在)。有権者から選挙の正当性への疑問も出る一方、対策を放置した政党や候補予定者から改革の姿勢は感じられない。
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くるぞ、くるぞっ。

前回では、多数意見(10-5)で合憲と判断されたが、補足意見で多数はのうち4名(裁判官亀山継夫,同横尾和子,同藤田宙靖,同甲斐中辰夫)が「仮に次回選挙においてもなお,無為の裡に漫然と現在の状況が維持されたままであったとしたならば,立法府の義務に適った裁量権の行使がなされなかったものとして,違憲判断がなさるべき余地は,十分に存在するものといわなければならない。」とした。
それに、反対意見(裁判官福田博,同梶谷玄,同深澤武久,同濱田邦夫,同滝井繁男,同泉?治)を足すと、単純計算で、今回の参議院選挙での定数が是正されないままの選挙は違憲となる。

1月14日判決の原告は早くも「警告で何も変わらない以上、選挙後すみやかに提訴して裁判所に明確な違憲判決を出してもらうしかない」としている。
半ば慣習行事となった印象もあった、定数違憲訴訟であるが、ついに、選挙が無効となるときがくるのだろうか?
選挙を無効とした場合、当然ながら、やり直しとなる。衆議院と異なり、参議院は半数の改選であって、半数は現職のままである。つまり、参議院としての機能に欠けるところはないために、衆議院よりも無効判決を出しやすいという側面がある。

判決文はこちら:
H16.1.14 大法廷・判決 平成15(行ツ)24 選挙無効請求事件

なお、非拘束名簿式比例代表制の合憲性についても判断をしている。それはこちらから。最高裁は合憲と判断している。

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