2004/05/11

予言か?

下の引用は1927年に出版された著書の終わりの部分。
ナチスの行く末を予見することはできなかった彼だが、現在の世界状況は、たまたま、あたっていたようである。
かなり近いような気がするが、どうであろうか?
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経済的な基盤にたつ帝国主義は、もとより、たとえば信用の停止・原料封鎖・他国の本位制の攪乱等々の経済的権力手段を妨げられることなく使用でき、またそれによって切り抜けていけるような状態を、地上に招来しようと努めるであろう。そして、もしも、ある民族ないし他の人間集団が、この「平和的」手段の作用から逃れようとすれば、帝国主義は、それを「経済外的暴力」であるとみなすことであろう。帝国主義はまた、さらにきびしい、しかしいぜんとして「経済的」であるがゆえに(用語の上では)非政治的な、本質的に平和な強制手段、たとえばジュネーブの国際連盟が、国際連盟規約第十六条(一九二一年、第二回国際連盟総会決議第一四号)の実施上の「準拠」に上げている、非戦闘員に対する食糧輸送の抑止や飢餓封鎖のような強制手段を用いるであろう。あらに帝国主義はなお、暴力的な肉体的殺りくの技術的諸手段、すなわち、資本と知性とを動員した結果、いまだかつてないほど有用なものとなり、いざとなれば実際に用いられもする、技術的に完全な現代的武器を手中に収めている。このような手段を用いるについては、実は、本質的に平和主義的な用語が作り出されるのであって、そこにはもはや戦争という語はなく、ただ執行・批准・処罰・平和化・契約の保護・国際警察・平和確保の措置だけとなる。抵抗者はもはや敵と呼ばれず、その代わりに、平和破壊者・平和攪乱者として、法外放置され、非人間視される。また、経済的権力地位の維持ないし拡張のために行われる戦争は、宣伝の力で「十字軍」とされ、「人類の最終戦争」に仕立てられざるをえない。倫理・経済の両極性が、これを要求するのである

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