明日は、警視庁HIV無断検査訴訟の証人尋問
警視庁HIV無断検査訴訟についてのHP
↓
http://www.t3.rim.or.jp/~aids/police.html
東京地裁710号法廷で行われる。
タイムテーブルは:
10:45〜12:00 元警察学校第一教養部教授
陳述書の要旨
・警察学校における訓練は非常に厳しい。それを理由に辞職を申し出る者は珍しくはない。
・柔道、剣道、駆け足訓練の必要性。強靭な肉体と精神力を養うため。
・原告に対し再検査を行うようにとの報告を松岡医師から受けた。
・中村教官から、原告がHIV交代陽性であったと知らされた。入校を辞退する旨を述べていることも聞かされた。
・原告とその母親に、入校辞退の意思を確認した。入校辞退の手続が終了したことも伝えた。
・慰留はもともと誰に対しても行っていなかったために、今回もしなかった。
・その場で、今後原告は社会福祉関係の仕事につきたいと、原告の母から聞かされた。
・原告に対し辞職を強要したことはないし、自らの意思で入校辞退を申し出たので、これを受理したに過ぎない。
13:30〜14:30 元警視庁健康管理本部本部長(医師)
陳述書の要旨
・警察官の勤務は精神的ストレスがたまりやすい。肉体的疲労も激しい。
・HIV感染者が警察官として勤務することは、AIDS発症を早めることになると言える。
・HIV抗体検査は職員の健康管理の面から必要であると考えていた。
・原告はHIV抗体検査と、ワッセルマン反応陽性であった。しかし、人違いや疑陽性の可能性もあるので、再検査する必要があるとの連絡を受けた。
・松岡医師と再検査することを相談し、その際原告には激しい運動は控える旨伝えるよう松岡医師に申し添えた。
・2回実施したスクリーニング検査の結果、原告がHIVに感染していることが判明した場合に、告知・説明する必要があると考えた。また命にかかわる病気であるから、原告の承諾が得られれば、保護者にも説明しておく必要があると考えた。
・原告に説明したとき、原告は「やはり陽性でしたか」と答えた。また、「外国でさまざまな経験をしたから不安だった」とも言った。
・検査結果からすれば、HIVに感染している可能性が高いので、専門病院で確認検査と診察を受ける必要があるとも言った。
・説明を聞いて、原告は警察の仕事を続けるのは難しいので、今後は大学で学んだ福祉関係の仕事をしたいといっていた。
・説明を受けている原告の態度が冷静だったために、違和感を持った。また、警視庁を辞めることを前提として、その後の自分の展望まで語りだしたのには驚いた。
・HIV感染者は、常にAIDS発祥を意識して生活しなければならないのですから、とても冷静な精神状態ではいられないのと思う
・原告の冷静な態度から、すでにHIV感染を、または、少なくともその可能性を知っているのではないかと思った。
・自分から、原告に辞職を勧めることはありえない。
・最終的に、今後警察官を続けていくか否かということは、原告本人が決定すべきことである。
15:00〜16:00 都立駒込病院感染症科医師
陳述書の要旨
・原告から受信の理由を聞いて驚いた。
・被検査者の明示の希望がない限り、HIV抗体検査をするということはない。
・スクリーニング検査でも事前の説明と同意は必要である。
・スクリーニング検査のみだったが、それを二度続けて行うのは通常ないので不思議に思った。
・スクリーニング検査では免疫状態を判断することはできない。
・スクリーニングのみでは、偽陽性の可能性が残るため、確認検査が確定するまで告知はすべきではない。
・3/1000の割合で感染していないにもかかわらず、陽性と判断されてしまうことがある。そのため、確認検査は欠かせない。
・確認検査を行う前に説明を必ず行う。被検査者の不安を煽るようなことになってはならず、基礎的な知識を正確に理解してもらうことに重点がある。
・説明内容は、まずは、検査の目的である。次に要請が死に直結するものではないということ。続いて、要請でも適切な処置を施せば普通の生活を継続することができることなど。
・陰性だった場合でも、事前の問診で感染原因になりそうな事実があるようなケースについては、さらにしばらくの間を置いて再度検査をするように薦めている。
・CD4は493/ulであり、通常の就労は可能な状態であり、なんら活動制限の必要はない。
・正常とみなされるCD4値は360-1490/ulである。
・HIV感染症で重篤な合併疾患を発症するのは、CD4が100/ulであることがほとんどである。
・アメリカのガイドラインでは、抗HIV薬による治療の開始時期は、CD4が200/ulになったときとされている。
・HIV感染があるといっても、免疫が著しく低下しない限り治療の必要はないし、日和見感染症が発症しない限り患者の活動を制限する必要もない。
・通常は激務のゆえに免疫が低下することはなく、良好なCD4陽性リンパ球数を保っている患者に運動や就業の制限を指導することはない。
である。
これら上記の陳述が、裁判上どうチェックされたかについては、後ほど。
東京都のHIV/AIDS啓発HPはこちら
HIV/AIDSについて。(HIVと人権・情報センター、AIDS Scandal、今村証言より)
HIV
「Human Immunodeficiency Virus」の略で、ウイルスの名称そのもののこと。
「血液・精液・膣分泌液・母乳」の4つの中にのみ感染源となりうるHIV濃度をもった体液は含まれる。←唾液は除外されていることに注目!
HIVはウイルスの中でも大変弱いウイルスで、空気中・水中ではすぐに死んでしまう。
また、粘膜からしか体内に侵入できないため、皮膚から入ってくることは不可能。
AIDS
「Aquired Immune Deficiency Syndrome 後天性免疫不全症候群」の略。
HIVに感染し、その結果体の免疫力が低下して、様々な病気を起こしている状態のこと。
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