新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について
中央教育審議会が中間報告を取りまとめた。
問題点は、明らかかと思うが、これである。
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(日本人のアイデンティティ(伝統,文化の尊重,郷土や国を愛する心)の視点,国際性の視点)
自らのアイデンティティの基礎となる伝統,文化を尊重し,郷土や国を愛する心を持つことが重要である。そして,このような自らの国を愛し,平和のうちに生存する権利を守ろうとする国民一人一人の思いが,我が国だけではなく,同じ思いを持つ他国の人々も尊重しなければならないという国際的な視点に通じるものとなる。しかしながら,教育基本法には,このような視点が明示されていない。
また,「公共」に主体的に参画する意識や態度の涵(かん)養を図るためにも,国や社会,その伝統や文化について正しく理解し,愛着を持つことが重要である。
日本人としてのアイデンティティ(伝統,文化の尊重,郷土や国を愛する心)と,国際性(国際社会の一員としての意識)
グローバル化が進展する中で,これからの時代には,国際社会の一員として生きる国際人としての自覚とともに,世界に生きる日本人としてのアイデンティティを持つことがますます重要になる。国際社会に出ていけばいくほど,自らを日本人として意識する機会が増え,自国の存在について無関心でいることはできず,国際社会における自国の地位を高めようと努力することは自然な動きである。このような思いが,国を愛する心につながるものであり,その前提として,自らの郷土や国について正しい理解を持つこと,例えば郷土や国の伝統,文化を正しく理解し,尊重することが重要となる。
なお,国を愛する心を大切にすることや我が国の伝統,文化を尊重することが,教育改革国民会議報告においても指摘されているように,国家至上主義的考え方や全体主義的なものになってはならないことは言うまでもない。
国や郷土を愛する心を持つのはいいことである。僕自身、この国を愛している。しかし愛し方は僕なりのアプローチである。家族や彼女を愛することはいいことである。しかし、愛し方は僕なりのアプローチである。人にどうこう言われる事柄ではない。愛する人、愛される人によって、無数のアプローチがある。
自分の居場所(「国」)について正しい理解をすることはいいことである。知らないよりは知っていたほうが理性的な反応が可能となる。その場としては、教育はふさわしい。
しかし、愛させようとするのは、違うだろう。
「愛する」という言葉ほど、命令形がふさわしくない動詞は他にない。
教育を施す側(親、教師、学校…)に求められることとして、生徒にこの国を正しく理解させること。そして、理解した先には、その国を愛するに足るだけの環境整備を日常的に行うことであろう。愛されない側が、愛してくれない相手をなじるのは、お門違いなのではないか?
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