Intel v. Hamidi続報
大量の迷惑メール配信事件でインテル敗訴
ハワード・ミンツ記者:マーキュリー・ニュース
カリフォルニア州最高裁判所はこのほど、米インテルの元従業員、ケン・ハミディ氏が会社の労働慣行を批判するメールを同社従業員宛に大量送信した事件を巡る裁判で、自社のコンピューターシステムから望ましくないメールを排除する権限が会社にあるはずだとするインテル側の主張を退け、この元従業員に無罪判決を言い渡した。
1995年にインテルを解雇されたハミディ氏は、3万人に及ぶ従業員に対し同社を批判するメールを送信し、勤務中の従業員の生産性を低下させたとしてインテルが提訴した。一審ではハミディ氏がこれ以上メールを送信することを差し止める判決が出され、2年前に控訴審でもその判決が支持されたが、今回、州最高裁判所は4対3の賛成でそれを覆した。インテルの主張は、財産権を規定している動産侵害法に基づくもので、その適用を受けるには所有財産が損害を被ったことを証明しなければならない。しかし、裁判所はハミディ氏のメールでインテルの所有財産が損害を被ったことを同社が証明できなかった、としている。
また、最高裁は、スパムメール(未承諾広告メール)問題が議論されている現在でも、会社が自社のコンピューターシステムに流入する情報を制限する権限には制約があると結論づけた。
今回の判決で、重きを置かれたのは、合衆国憲法修正第1条で定められた言論の自由であるが、これによってスパム規制の取り組みに影響を与えることはないと思われる。カリフォルニア州にはスパム関連法があり、また商業用メッセージは個人のメッセージよりも言論の自由を享受する度合いが低いからである。しかし法律専門家は、この判決は、伝統的な財産権を現代のデジタル時代に適用することに、制限を課すことになり、メールによるメッセージ配信を阻止したい場合、企業は言論の自由の問題をまず解決しなくてはならなくなった、と語る。
言論の自由を擁護する人たちは、この判決は歓迎するが、インテルを支持する企業側は、民間企業に自社のコンピューターシステムを流れる情報を管理する権限を与えるべきだと主張している。
from asahi.com
http://www.asahi.com/english/svn/K2003070401345.html
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