2003/07/14

違憲判決後も玉串料を公金支出した前町長に一部違憲判決

 自治体による玉串料の奉納を最高裁が違憲と判断した97年以降も、町長交際費から玉串料を支出したのは憲法違反だなどとして、滋賀県甲南町の山田克町議(64)ら住民2人が山本悟・前町長(今年4月に死去)を相手取り、玉串料を含む交際費約590万円の返還を求めた訴訟の判決が14日、大津地裁であった。神吉正則裁判長は「前町長は最高裁判決を当然知っていたと考えるべきで、支出についてその適否を判断すべき義務があった」として、前町長の過失を認め、玉串料1万円を含む約2万3千円を町に支払うよう命じた。
 判決では、前町長在職中の94年4月から01年12月までの交際費支出のうち、住民監査請求のあった02年4月から1年前の01年4月以前の分について訴えを却下した。そのうえで、01年5月に町内の神社の例大祭で支出した玉串料1万円について「特定の宗教団体に対する奉納は特別な印象を与え、宗教的な意義を持つ」として政教分離を定めた憲法に違反すると認めた。また、01年9月にあった国松善次・滋賀県知事の出版記念パーティーの会費5000円を含む約1万3000円についても「公益性が認められない」として違法と判断した。地方自治法では、住民監査請求の対象となる期間は、請求時の前1年間に限定されている。
 裁判で原告側は、前町長が在職中、地元神社などに「玉串料」名目で計7回、5万3000円を交際費から支出したのは政教分離を定める憲法に違反すると指摘。これに対し、前町長側は「例大祭は地域の伝統行事であり、玉串料には氏子総代会への祝儀のほか、会費としての意味合いもあった」とし、社交儀礼の範囲内だと反論していた。
 判決に対し、甲南町総務課は「前町長が02年3月に辞任後、町長交際費を見直し、玉串料の支出はやめている」としている。被告側代理人は「控訴するかどうかは前町長の相続人と協議して決めたい」と話した。

from http://www.asahi.com/national/update/0714/024.html

とのこと、今のところ手に入れたのはこれのみなので、なんとも言えないが。

2003/07/12

併合罪で初判断、懲役14年を支持 新潟・監禁で最高裁

 新潟県柏崎市の女性が約9年2カ月間にわたり監禁された事件で、逮捕監禁致傷と窃盗の罪に問われた佐藤宣行被告(40)の上告審判決が10日午後、最高裁第一小法廷(深沢武久裁判長)であった。量刑をめぐって一審は懲役14年、二審は同11年と判断が分かれていたが、同小法廷は一審の判断を支持。二審判決を破棄し、弁護側の控訴を棄却した。懲役14年が確定する。
 この裁判では、逮捕監禁致傷だけなら刑の上限は懲役10年なのに、通常なら起訴されるかさえ微妙な下着4枚(2464円相当)の窃盗を加えることで、刑法の「併合罪」規定による上限(1.5倍)いっぱいの懲役15年か、それに近い刑を科すことができるかどうかをめぐって法廷論争が続いていた。
 第一小法廷は、併合罪規定について「1.5倍の枠の中で犯罪全体に対する刑を決めることにした規定だ」との初判断を示した。「一つ一つの罪について個別に量刑し、それを足し算することは、法律上予定されていない」として二審の判断は誤りだと結論づけた。
 9年以上に及ぶ監禁という前代未聞の犯罪に対し、検察側は「懲役10年では軽すぎる」として窃盗罪で追起訴し、懲役15年を求刑。一審・新潟地裁は「逮捕監禁致傷罪の法定刑の範囲内では妥当な量刑ができない」と述べ、懲役14年とした。
 しかし、東京高裁は「法定刑の上限を超え、違法。逮捕監禁致傷罪については最長でも懲役10年の限度で評価しなければならない」として一審判決を破棄し、改めて懲役11年を言い渡した。窃盗については懲役1年程度と評価したとみられ、判決を不服とした双方が上告していた。
 一、二審判決によると、佐藤被告は90年11月、新潟県三条市で下校途中の小学4年生の女の子(当時9)を車で連れ去り、19歳になるまで柏崎市の自宅2階で監禁。両足の筋力低下などの傷害を負わせるなどした。98年10月には、同県中条町のスーパーから、キャミソール4枚を盗んだ。 (07/10 13:57)

from http://www.asahi.com/national/update/0710/021.html

この判決には、反対である。高裁判決を支持する。それについては、昨年ここに書いたのでバックナンバーを参照してもらいたい。

2003/07/09

「心が煮えくりかえり…」駿ちゃんの遺族コメント 長崎

長崎の幼児殺害事件にかかわった疑いがあるとして中学1年の少年が9日、補導されたことを受け、殺害された種元駿ちゃんの遺族は9日、県警を通じて以下のコメントを発表した。
 今回の事件について遺族として一言申し上げます。
 駿が亡くなってから1週間以上たちますが、いまだにいなくなったことが信じられません。なぜ無邪気な子供の命が、奪われなければならなかったのでしょうか。
 犯人が中学生ということで刑事事件として罪が科せられないということは頭の中ではわかっていますが、心が煮えくりかえり、中学生といえども極刑に処してもらいたい心境です。
 犯人に言いたい。あなたは反省しているのですか。事件から1週間以上たちますが、自首する時間はいっぱいあったのではないのですか。もしつかまらなければ同じ罪を何度もおかしていたのではないですか。あなたには一生をかけて、罪を償ってもらいたいと切に願います。
 捜査にご協力頂いた皆様、どうもありがとうございました。
 また最後になりますが、このような事件で加害者が保護され、被害者が苦しむことのないよう、少年法が改正されることを願います。 (07/09 20:43)

from http://www.asahi.com/national/update/0709/026.html

悲しみの共有、死へのやり場のない怒り、それをともに感ずること。

しかし、あえて言う。この言説に共感してはならない。刑事罰を13歳未満に適用しないようにしているのは、今回のようなことを想定していないからではなく、むしろ今回のようなことすらも念頭において、なおかつ適用しないとしていると考えなければならない。残念ながら、遺族のために刑事制裁があるのではない。
遠山文科相は言う。「あのように残酷な事件を中学生が起こしたのだとすれば大変な衝撃だ」と。13歳未満に刑法を適用しないのは、13歳未満の人間が善であるからではない。その適用に意味がないからである。今回の事件は、何かの引き金になりそうな気配の事件である。この事件は事件として捉えること、しかし、それを一般化して、少年法の適用範囲の拡大を是とする言説にガソリンを与えてはならない。
子供の人権のためだと思うか?そんな甘っちょろいものではない。あなたが、法律を専門としないならば、そう怒ってもよい。しかし次のことは、ここで考えておいたほうがよい。
人を殺すことがいけないなんてことは、小学生でもわかっている。しかし、別にそんなことは何の問題の解決の鍵とはならない。
法の命ずるところを衡量して自己の行動を合理的でないと慎むこと(あるいは、なおかつそれで見合うとして行動に踏み切ること)を、この程度の年齢の人間に求められるというのか?
そんなことよりも、はるかに簡単な、選挙権すらもないというのに。
できないものに、刑を強いても意味がない。 あなたの前近代的な感情の満足以外には。

2003/07/04

HIV感染被告が人権救済申し立て=洗面器に病名明記、差別待遇−京都弁護士会
 京都拘置所(京都市伏見区、加藤正博所長)に拘置されている男性被告が、エイズウイルス(HIV)感染を理由に差別的な待遇を受けているとして、京都弁護士会に人権救済を申し立てていることが5日、分かった。
 同弁護士会によると、男性は「HIV用」と記された洗面器の使用を強制されるなど差別的な待遇を受け、精神的にも追い込まれているという。既にこの男性を担当する職員の面会も行っており、今月末にも本格的に調査を開始する。 (時事通信)


京都拘置所(京都市伏見区、加藤正博所長)に拘置中の30歳代の男性被告が、エイズウイルス(HIV)感染を理由に「HIV用」と書かれた洗面器を使用させられるなどの差別的処遇を受けたとして、京都弁護士会(塚本誠一会長)に人権救済を申し立てたことが5日、分かった。HIVは日常生活上の接触では感染せず、国の機関である拘置所の人権意識が問われそうだ。
 男性はHIV感染者で独居房に収容中。関係者によると、散髪の際、「HIV用」と書かれた洗面器を使わせられるなど、差別的扱いを受けたため、精神的ショックから医務官に相談するなどしたという。男性は6月4日、申し立てを起こし、弁護士会は同25日に弁護士を派遣、男性から事情を聴いた。拘置所側にも聴取し、意見書提出などを検討する。
 弁護士会人権擁護委員の1人は「被収容者に対する人権意識が露呈した問題と認識している。客観的事実を把握していきたい」と話している。
 衣川昌行・同拘置所総務部長は「一般論だが、感染性の高い病気の場合、必要なら他と区別するし、他の収容者の心情も考慮する。洗面器の存在は確認できていない。具体的な申し立て内容は収容者のプライバシーなので答えられない」と話している。【中村一成】(毎日新聞)


京都拘置所(京都市伏見区、加藤正博所長)に収容中の男性被告がHIV(エイズウイルス)感染者という理由で差別的な待遇を受けた、と京都弁護士会に人権救済を求めている問題で、同拘置所が京都新聞社の取材を受けた後、男性に幹部職員が謝罪し、処遇の一部を改善していたことが5日分かった。
 拘置所では通常、毎食の食器はまとめて回収して洗浄される。しかし、男性によると、今年2月に収容されて以降、食器を回収されず自房での保管を指示されるなど、差別的な待遇を受けた。繰り返し改善を求めたが、変わらなかった、という。
 京都新聞社が拘置所に取材を始めたところ、食器を回収するようになり、幹部職員の1人が男性に「食器をほったらかしにしといたらあかんと、(職員に)言っておいた」と説明。医務課も食器について対応の不備を認めたといい、男性は謝罪されたと話している。
 また、所持品や入浴を介してHIV感染することはないのに、拘置所が男性の独居房の前にビニール手袋や消毒液を常備し、職員が男性の所持品を触る時に手袋を、触った後に消毒液を使っていた。入浴も、男性の順番は常に最後にされていたことが、男性の話で新たに分かった。 (京都新聞)


閉された空間の中で、HIV(エイズウイルス)感染者の男性被告は、偏見と差別に耐え忍ぶしかなかった、と訴えた。4日明らかにされた京都拘置所(京都市伏見区)のHIV感染者に対する差別処遇疑惑。「国の機関が、いまだにこの程度か」「意図的ないじめでは」。男性が告発する拘置所内の実態に、専門家や患者団体から非難が相次いだ。
 面会した京都新聞記者に男性は切々と訴えた。それによると、男性は今年2月に京都拘置所に拘置されてから、食事や運動など多くの面で、他の収容者と区別された生活を強いられていた。体操を他の収容者と共にできるよう職員に要望したが、「拘置所の中にHIV感染者がいることが他の収容者に知れるとパニックになる」と断られた、という。
 「何度も改善を申し入れたのに聞き入れられなかった。最大のプライバシーである病歴が他人に知られ、本当に悔しい」。男性は拘置所から受けた5カ月間に及ぶ処遇に怒りをあらわにした。
 京都拘置所は再三の取材に対して、男性のプライバシー保護を理由に説明を拒んだ。
 HIVの予防に詳しい京都大大学院医学研究科の木原正博教授は「HIVはだ液や汗では感染しない」と説明する。「食器やふろなど日常生活を共にしても問題ないことは、小中学校でも教育されており、今や社会の常識」と話す。
 監獄人権センター代表の村井敏邦・龍谷大教授は「かなり以前にある刑務所の施設長から聞いた話」として、「HIV感染の受刑者がいて職員が気持ち悪がる」との不当な理由で、感染の恐れがないのに所持品扱いを区別していた、という。村井教授は「職員への教育はどうなっているのか。いまだに不要な区別をしているなら信じられない」と驚く。
 大阪HIV薬害訴訟原告団長でNPO(民間非営利団体)「医療と人権」の花井十伍代表は「知識がないというレベルではない。懲罰の延長でやっているのか。全国のHIV患者が聞いたらやりきれない思いでいっぱいになるだろう。薬害エイズ事件で多くの患者に被害と悲しみを生み出し、反省した国の機関として言語道断」と憤っている。 (京都新聞)
*-*-*-
当然ながら言っておけば、洗面器を用いる場面で、HIVが他人へと伝染することはない。これは、根拠のない差別に該当することは、実にわかりやすい。
Intel v. Hamidi続報

大量の迷惑メール配信事件でインテル敗訴
ハワード・ミンツ記者:マーキュリー・ニュース
 カリフォルニア州最高裁判所はこのほど、米インテルの元従業員、ケン・ハミディ氏が会社の労働慣行を批判するメールを同社従業員宛に大量送信した事件を巡る裁判で、自社のコンピューターシステムから望ましくないメールを排除する権限が会社にあるはずだとするインテル側の主張を退け、この元従業員に無罪判決を言い渡した。
 1995年にインテルを解雇されたハミディ氏は、3万人に及ぶ従業員に対し同社を批判するメールを送信し、勤務中の従業員の生産性を低下させたとしてインテルが提訴した。一審ではハミディ氏がこれ以上メールを送信することを差し止める判決が出され、2年前に控訴審でもその判決が支持されたが、今回、州最高裁判所は4対3の賛成でそれを覆した。インテルの主張は、財産権を規定している動産侵害法に基づくもので、その適用を受けるには所有財産が損害を被ったことを証明しなければならない。しかし、裁判所はハミディ氏のメールでインテルの所有財産が損害を被ったことを同社が証明できなかった、としている。
 また、最高裁は、スパムメール(未承諾広告メール)問題が議論されている現在でも、会社が自社のコンピューターシステムに流入する情報を制限する権限には制約があると結論づけた。
 今回の判決で、重きを置かれたのは、合衆国憲法修正第1条で定められた言論の自由であるが、これによってスパム規制の取り組みに影響を与えることはないと思われる。カリフォルニア州にはスパム関連法があり、また商業用メッセージは個人のメッセージよりも言論の自由を享受する度合いが低いからである。しかし法律専門家は、この判決は、伝統的な財産権を現代のデジタル時代に適用することに、制限を課すことになり、メールによるメッセージ配信を阻止したい場合、企業は言論の自由の問題をまず解決しなくてはならなくなった、と語る。
 言論の自由を擁護する人たちは、この判決は歓迎するが、インテルを支持する企業側は、民間企業に自社のコンピューターシステムを流れる情報を管理する権限を与えるべきだと主張している。

from asahi.com
http://www.asahi.com/english/svn/K2003070401345.html

2003/07/02

職場におけるメール送信の自由

アメリカでカリフォルニア州最高裁判所で、6/30に、ひとつの判決が下された。(判決文はここで参照可能。
また、EFFでは、この裁判の特集ページも設けられている。→ここからどうぞ!
Hamidi氏側のサイトはこちら
・EEFの「法廷助言者の摘要書(Amicus brief)
インテル社の敗訴である。
Hamidi氏側の勝利宣言はこちら

Wired Newsによれば、事件の概要は以下のとおりである:
ハミディ被告はインテル社を解雇された後、不満を表明するために、一度に最高3万5000人の同社従業員を対象として電子メール送付キャンペーンを行なった。カリフォルニア州高等裁判所は先日、このハミディ被告に不利となる決定を下した。ハミディ被告の行なった電子メールの大量送付は、財産の侵害に当たるというのだ。3名の裁判官が、2対1で決定した。(2001年12月15日 2:00am PST)

ハミディ氏はインテル社に15年間勤務したが、労災補償をめぐってもめた後、1995年に解雇された。イランからの移民であるハミディ氏は、元同僚たちに送付したメールおよび同氏自身のウェブサイトで、人種、年齢、医学的障害を理由にインテル社から差別を受けたと主張している。
 ハミディ氏は、自分が送ったメールは教育目的だったと主張した。これに対してインテル社は、受信者が同氏の長文メールを勤務時間中に読んだり、社内のITチームがメールを阻止しようと緊急対応した(結局失敗した)りしたせいで、従業員の生産性が落ちたと主張した。
 まるで巨人と闘っているようにも思えるハミディ氏を支援しようと、さまざまな言論の自由擁護派が集まった。その中には、電子フロンティア財団(EFF)米市民的自由連盟(ACLU)ハーバード大学の『インターネットと社会のためのバークマン・センター』などの専門家も含まれている。(2003年3月14日 2:00am PT)

同僚に電子メールを送ることは、たとえそのメールの内容が会社に対して批判的であっても、侵害行為とは見なされないという裁定が、カリフォルニア州最高裁判所で6月30日(米国時間)に下された。
 米インテル社に対して不満を抱く元社員、クルーシュ・ケニス・ハミディ氏が元同僚に電子メールを送ることを禁じた州地方裁判所と高等裁判所の判断に対し、カリフォルニア州最高裁判所はこの判断を覆すことを4対3で支持した。言論の自由の擁護派は今回の裁定を称賛している。
州最高裁判所は、ハミディ氏の電子メールはインテル社のサーバーを実際に混乱させたわけではないので侵害にはあたらないとして、高等裁判所の判断を退けた。州最高裁判所は過半数の意見として、「ハミディ氏は、社員と通信するという本来の目的のために電子メール・システムを利用したにすぎない」と述べた。
 最高裁はまた、次のように述べている。「システムは当初の目的どおりの役目を果たし、物理的または機能的な障害や混乱を招くことなくメッセージを伝送した。このような時折の送信を、インテル社のコンピューター・システムの質や価値に損害を与えると合理的に見なすことは不可能だ」
 ハミディ氏の弁護団と支持者は、下級裁判所の判断がそのまま認められれば、ウェブページへのハイパーリンクを実行したり、受信者が求めていない電子メールを1通送信したりするだけでも訴えられかねない事態になる、と懸念していた。
 「裁判所は、インターネットのネットワークとしての機能を損なうおそれのある新しいルールを作ろうという誘いをきっぱり断った。原告が私有財産を侵害されたと主張したければ、通信機器が損害を受けた証拠が必要だ」と、ハミディ氏の弁護士の1人、グレゴリー・ラストウカ氏は語る。
「ハミディ氏が時折送信してくるメッセージを受信してインテル社が被るコンピューターの機能的負荷や、個々の受信者の時間的損失は、増える一方の宣伝メールの洪水によってインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)やその顧客が被る負担や出費とは比較にならない」とカリフォルニア州最高裁は述べている。
 州最高裁判所はまた、インテル社が、電子メールによって職場が混乱し、生産性が落ちたと主張してハミディ氏の行動を阻止することはできないし、「社員の時間という面で財産の権利を主張する」こともできないと述べた。
 だが、[宗教・言論・集会・請願などの自由に干渉することを禁ずる]合衆国憲法修正第1条によって、インテル社はハミディ氏の電子メールを社員が受信するのを妨げてはならない、という判断は示さなかった。(2003年6月30日 2:26pm PT)

日本の職場におけるネット関連については、プライム・ローというサイトにまとめられている。ただ、情報がやや古いといった点もある。そのサイトには「職場における電子メールとプライバシー」というコーナーもある。
また、ネット・情報関連の判例をまとめたページとして「情報ネットワーク関連判例」というすばらしいサイトもある。
日本の職場でのメールに関する判例としては、F社Z事業部事件(東京地判平13.12.3 労判826号76頁、日経クイック情報事件(東京地判平14.2.26労判825号50頁)がある。
F社事件については、藤内和公 「会社内の私用電子メールに対する使用者による監視の可否−F社Z事業部事件・日経クイック情報事件」 法律時報2003/5、
永野仁美 「私的メールの調査に関するルールが存在しない状況下でメールの閲読が許容される条件——F社Z事業部(電子メール)事件——東京地判平成13・12・3」 ジュリスト2003/4
がある。
両者の判例評釈として労判827-29に砂押以久子 「従業員の電子メール私的利用をめぐる法的問題」。
労判の831-96にフランスの判例紹介として、山崎文夫 「業務用パソコンの指摘しようとそのチェックの要件」があった。
裁判所内の聖書の石碑の撤去求める 米連邦高裁
2003.07.02 Web posted at: 09:05 JST
- AP
ジョージア州アトランタ(AP) 当地の米連邦高裁は1日、アラバマ州最高裁の建物内に設置されている旧約聖書の十戒が書かれた石碑は政教分離の原則に反するとして、石碑の撤去を求めた連邦地裁の決定を支持する決定を下した。
問題の石碑は、アラバマ州最高裁のロイ・ムーア首席裁判官が2年前の夏、同最高裁の建物内に設置したもの。重さ約2.5トンの石碑には、旧約聖書のモーゼの十戒が彫りこまれている。連邦地裁は昨年11月、石碑の撤去を求める決定を下している。


裁量労働で過労自殺した男性遺族、コマツに賠償求め提訴

 「裁量労働制」の職場での働き過ぎが原因でうつ病になり自殺に追い込まれたとして、神奈川県平塚市の男性(当時34)の遺族が1日、建設機械大手の「コマツ」(東京都港区)を相手に約1億8236万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。労働時間を自由に決められる制度下での過労自殺について、企業の法的責任が問われるのは初めてという。
 この男性は昨年9月、平塚労働基準監督署から労災と認定されている。
 訴状によると、男性は84年に入社。平塚市の研究所で上級研究員として仕事をしていた99年12月に自殺した。
 自殺する前は半年以上にわたり1日11〜18時間の労働を続けていたという。上司から製品の納期を厳守するよう言われたことが残業の原因だったとし、遺族側は「会社はメンタルヘルス対策をせず、安全配慮義務を怠った」と主張。代理人で過労死弁護団全国連絡会議幹事長の川人博弁護士は「裁量労働制を口実に、過労死に対して責任を取らない会社が増えており、責任を明確にしたい」と話している。
 コマツ広報・IR部は「誠意をもって話し合いを続けていたが合意に至らず、誠に遺憾。訴状が届いておらず、提訴についてはコメントできない」と話している。 (07/01 23:59)
from asahi.com


イスラム教女生徒のスカーフ論争、シラク大統領乗り出す

 フランスの学校でイスラム教徒の女生徒にスカーフ着用を認めるかどうかの論争が持ち上がっていることに対し、シラク大統領は1日、問題解決をめざす直属の委員会を発足させると表明した。論争が単に生徒の服装の問題ではなく、アラブ系移民が仏社会に同化するかどうか、国家の統一性が保たれるかどうか、という問題につながるとの認識からとみられる。
 「共和国内の政教分離」委員会で、ベルナール・スタジ元海外県・海外領土相が委員長に就任した。政治家や有識者、宗教的権威らで構成。テレビでの公開討論も実施して国民から広く意見を募りつつ、年内に報告をまとめる。
 フランスでは昨年以降、スカーフ着用を信教の自由として認めるか、校内の布教活動と見なして禁止するかで割れ、トラブルが続出している。着用をイスラム原理主義系団体のキャンペーンとみなす政治家らは着用禁止のための法案を準備。もっとも法制化には「やりすぎ」との批判も多く、論議となっていた。
 ルモンド紙によると、大統領はスカーフ論争が仏共和国のアイデンティティーにかかわる問題になると受け止め、「大統領自身が引き受ける必要がある」と考えているという。
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