2004/05/29

君が代斉唱の声量調査 福岡県久留米市教委

 福岡県久留米市教育委員会が、小中学校で今春に行われた卒業式と入学式の際に、君が代を歌う声の大きさを調べていたことが30日、分かった。市民の一部からは「なんの意味があるのか」と疑問の声も上がっている。
 市教委などによると、調査は市立の全小中学校計40校が対象。日の丸掲揚の有無を調べるとともに、各校長や出席した市教委職員に聞き取り調査をし、声量を大・中・小の3段階に分類した。
 「小」と判断された学校には口頭で指導もしたという。「小」の学校は卒業式では6校、入学式は5校だった。
 国旗・国歌に関する教育を徹底するよう求めた請願が市議会に出されたことを受け調査を実施したという。
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「大」には、口頭で賞賛?
またそんな、単純な。

学校の場では、「日の丸は国旗なのか、君が代は国歌なのか」という大人の争いとは、また、違った事情が渦巻いていることも、ちょっとは考えたほうがいいのではないだろうか。
教育委員会もそうだが、意図的に大きく、または小さく歌わせていたならば、教師も。

2004/05/24

群馬県があいさつ促す条例制定へ 県民から反発も


 群馬県は「全国初」と銘打って、県民にあいさつの励行や地域行事への参加を促すことを盛り込んだ条例を制定する。県議会へ提案し、6月施行の予定。
 正式名は、犯罪の抑制を目指して地域の連携強化を図る「治安回復推進条例」。県民からは「個人の自由の侵害」「地域行事と治安回復は別問題」など反発の意見も寄せられた。
 小寺弘之知事も気にしてか、検討会議では、「当たり前のことだが、できていない。あえて書いた」と趣旨説明。罰則はなく、「理念型の条例」と強調している。
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は?
罰則はなくても、挨拶をしなければ、条例「違反」であることに変わりはない。
統治機関が「挨拶をする」という道徳観念に立ち入ることは、慎重でなければならない。
これは原則である。
なので、私も、「当たり前のことだが、できていない。あえて書いた」

2004/05/16

国民年金未納問題と「2年間」

連日国民年金の未納者の問題が、ニュースに表れ、そこで、何年間未納だったとか、気づいて2年分はさかのぼって支払ったが、それ以上は、時効のために納められなかったと出てくる。
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(横浜)市長就任時、市長の個人事務所が未納に気付き、過去にさかのぼって1年11か月分(約30万円)を納付したが、6年10か月間、約100万円は未納。
中川経済産業相(50) 1983年12月の議員当選以降。2002年以降分を今年4月に納付
石破防衛長官(47) 6か月。ほかに2002年9月以降分を今年4月に納付
峰崎直樹参院議員(59) 11年5か月。うち2年分を今年4月に納付
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政治家個人の政治責任をいろいろと論議する必要もあるだろう。しかし、そこで、ちょっと待てよと思った。
時効である。消滅時効。

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第百二条
3  保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び死亡一時金を受ける権利は、二年を経過したときは、時効によつて消滅する。
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根拠条文はこれである。民法総則の消滅時効の例である。民法をやったことがある人ならばわかるかもしれないが、時効は当事者の一方が時効だと主張することによってはじめて効力が生じる。それを時効の援用という。そのくらいは、私が憲法専門だろうとなんとなく覚えている。一応民法総則は必修だったので。
他の例、たとえば、口座などは、10年で時効になるが、銀行の側でそれを援用しなければ、口座は存続する。援用したということは聞いたことがない。

そこで考えるのだが、今回、各政治家は「全額払いたかったのだけど、時効によって2年しか払うことができなかった」のである。少なくとも名目上はそうであり、現時点での実務はそうなっているようである。
つまりは、年金を納める側ではなく、納められる側、社会保険庁サイドで時効を主張しているのである。
もちろん、法的にはなんらの問題がない。
しかし、大きな疑問が残る。
年金を運営する側は、受け取りたくないのだろうか?
納められなかった者は、その期間に応じて、支払われる年金の額が減ることになる。年金を支払う額が少なくてすむから、援用したほうが得であるという考えのようである。
時効だから、ただちに、さかのぼって2年を超えた分は納められないのではない。社会保険庁の側が、時効を主張することによって、支払ってもらわないことを選択できる権利を行使しているのである。

それとも、この2年は除斥期間であるということなのか?
その点をクリアにしてくれる説明はないものか。

2004/05/11

ママの日

Lawrence LessigのWeblogより。
下と対比して読むといいのでは?
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8カ月前、いまは「ママ」といえるようになったすばらしい男の子の母となったわたしの妻は、昨夜ある母の日の物語について教えてくれた。そして今日、Mark Goldmanがそのきっかけとなった一編の詩を送ってくれた。

ほぼ600人に及ぶアメリカの母親たちが今日、みな同じひとつの喪失について思っている。他の場所でもまた無数の母親たちが。彼女たちは義務について、勇敢な行いと勇気について自分に言い聞かせる。だがわたしには、母であろうと父であろうと、一体どうすればそんな喪失に耐えて生きてゆけるのか理解できない。どうすればそれを理解できるのかも。

われわれは戦争による喪失を理解するように育てられた世代ではない。この戦争も、他のどんな戦争も。

母親たちが心安らかでありますように。

予言か?

下の引用は1927年に出版された著書の終わりの部分。
ナチスの行く末を予見することはできなかった彼だが、現在の世界状況は、たまたま、あたっていたようである。
かなり近いような気がするが、どうであろうか?
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経済的な基盤にたつ帝国主義は、もとより、たとえば信用の停止・原料封鎖・他国の本位制の攪乱等々の経済的権力手段を妨げられることなく使用でき、またそれによって切り抜けていけるような状態を、地上に招来しようと努めるであろう。そして、もしも、ある民族ないし他の人間集団が、この「平和的」手段の作用から逃れようとすれば、帝国主義は、それを「経済外的暴力」であるとみなすことであろう。帝国主義はまた、さらにきびしい、しかしいぜんとして「経済的」であるがゆえに(用語の上では)非政治的な、本質的に平和な強制手段、たとえばジュネーブの国際連盟が、国際連盟規約第十六条(一九二一年、第二回国際連盟総会決議第一四号)の実施上の「準拠」に上げている、非戦闘員に対する食糧輸送の抑止や飢餓封鎖のような強制手段を用いるであろう。あらに帝国主義はなお、暴力的な肉体的殺りくの技術的諸手段、すなわち、資本と知性とを動員した結果、いまだかつてないほど有用なものとなり、いざとなれば実際に用いられもする、技術的に完全な現代的武器を手中に収めている。このような手段を用いるについては、実は、本質的に平和主義的な用語が作り出されるのであって、そこにはもはや戦争という語はなく、ただ執行・批准・処罰・平和化・契約の保護・国際警察・平和確保の措置だけとなる。抵抗者はもはや敵と呼ばれず、その代わりに、平和破壊者・平和攪乱者として、法外放置され、非人間視される。また、経済的権力地位の維持ないし拡張のために行われる戦争は、宣伝の力で「十字軍」とされ、「人類の最終戦争」に仕立てられざるをえない。倫理・経済の両極性が、これを要求するのである

2004/05/10

自治体再編論議に関して

市町村合併の流れは進んでいるようであるが、やはりこの手の議論は、地方と都市とで、どこに生活しているかにより、どうしても、感覚的に合致しがたい部分がる。
私は横浜市民である。340万人の日本で二番目に大きい都市で、日本でもっとも大きい直近の行政単位に生活している。仙台市、さいたま市、北九州市を併せたよりも大きいと思ってもらえれば、その規模がわかるだろう。東京とは23特別区があり、800万人以上いても、各区で区長を公選し、区議会も存在している。
50万前後の市の結合体であると考えてもよい。
横浜は、普通の政令指定都市であるために、市としての権限は他の市よりも大きい。しかし横浜市の区は、東京都は異なり、区長は公選ではなく、区議会も存在しない。市民が参政権の行使によりアクセス可能な行政単位はいきなり340万人の単位となる。そのようなところはほかに存在しない。
自治体再編論が地方分権の流れであるととらえるならば、現在の横浜市の各区民は、地方内中央集権体制に置かれていることになる。
さらにいうと、横浜市は市内の交通の利便が思ったほどよくなく、さらにはそれなりに広大であるために、生活基盤がまったく異なる。私の住んでいるところは、海からは遠く、裏は畑であり、自転車でしばらく行けば、豚小屋もある。また、ちょっと足を伸ばせば蛍も飛んでいる。そこまで極端に言わなくても、たまプラーザの住民が大船の住民と利害を共通にすることなどほとんどないといってよいだろう。東海道文化圏と東急田園都市線文化圏とでは、相当程度かけ離れている。
一体、このようなことを言い出して、何につなげたいと思っているのかと、疑問に思うかもしれないが、地方分権は、住民自治をよりよく実現させる目的に尽くすという観点からすると、横浜においては、市町村分割がふさわしいのではないだろうか?
三つに分けたとしても、政令指定都市であることに代わりはなく、ダウンサイジングすることにより、利害調整はより小回りがきくようになる。
大きければよいのではないというのが、都市特有の悩みである。

2004/05/09

Winny作者逮捕

インターネットを通じ映画や音楽などのデータをやりとりするファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を開発し、利用者が違法コピーすることを可能にしたとして、京都府警は10日、東大大学院助手、金子勇容疑者(33)=東京都文京区根津2丁目=を著作権法違反(公衆送信権の侵害)の幇助(ほうじょ)容疑で逮捕した。プログラムの開発者が著作権法違反の幇助容疑に問われるのは全国初。
 府警ハイテク犯罪対策室などの調べでは、金子容疑者は開発したWinnyを02年5月上旬からホームページで無料配布。群馬県高崎市の風俗店従業員(41)=同法違反罪で公判中=らが昨年9月にこのソフトを使って米映画「ビューティフル・マインド」などの映画やゲームソフトを送信できるようにし、著作権を侵害するのを手助けした疑い。金子容疑者は昨年11月、高崎市の従業員らによる著作権法違反事件が摘発された際、自宅の捜索を受け、これまで任意の調べを受けていた。
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刑法第六十二条   【 幇助 】
第一項 正犯を幇助した者は、従犯とする。
第二項 従犯を教唆した者には、従犯の刑を科する。

Winnyは包丁か、それともショットガンか?

そういえば、忘れてた。

京都府警の捜査書類、ネット上に流出 Winny経由か
 京都府警は29日、捜査関係書類がインターネット上に流出していたと発表した。下鴨署の交番勤務の男性巡査が、実際に使ったり練習用に作ったりした捜査報告書などの文書19枚分で、実在する11人の氏名や住所など個人情報も記載されていた。インターネット上でだれでも閲覧できる状態だったという。府警は巡査が内部規定に違反していた可能性があるとみて、流出の経緯を調べている。
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正犯は逮捕しないのでしょうか?

2004/05/06

住みにくい国のはなしを二つ

ブッシュ風刺画で米の高校生を聴取 「過剰反応」と波紋
 イラク戦争反対のメッセージを込めて、美術の宿題でブッシュ米大統領の風刺画を描いた米ワシントン州プロサーの男子高校生(15)が、学校からの通報で駆けつけたシークレットサービスに事情聴取される出来事があり、「いくらなんでも過剰反応ではないか」と波紋を呼んでいる。
 地元紙によると、問題とされたのは、銃を持ったアラブ風の男が、ブッシュ大統領の頭が先端についた棒を手にしている作品。イラクでの戦争をやめるよう求める説明書きがついていた。驚いた教師が上司に報告し、上司が教育長、教育長が警察に連絡。警察からシークレットサービスにファクスで絵が送られ、23日の事情聴取となった。
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ムーア監督の米大統領批判映画、ディズニーが配給禁止に
 アカデミー賞を昨年受賞したマイケル・ムーア監督が、9・11同時多発テロをめぐってブッシュ大統領を批判した新作ドキュメンタリー映画「華氏9・11」が、北米でこの映画を配給するミラマックス社の親会社ディズニーの圧力によって、配給禁止の措置を取られたことが5日わかった。
 ムーア氏のウェブサイトなどによると、新作は今月12日からのカンヌ国際映画祭で初上映され、夏にも米国で封切られる予定だった。4日にディズニー側から配給の取りやめを通告されたという。
 ムーア氏は昨春、ミラマックス社からの出資を得て制作を始めた。オサマ・ビンラディン氏の家系を含むサウジアラビア王族とブッシュ家の関連や、9・11後のブッシュ氏の政治姿勢を批判的に描写する内容。タイトルは、思想統制のための焚書(ふんしょ)を描いて映画化されたブラッドベリの近未来小説「華氏451度」にちなんでいる。
 5日付ニューヨーク・タイムズ紙はムーア氏の代理人の話として、ブッシュ氏の弟が知事を務めるフロリダ州で、ディズニーがテーマパークの税金優遇措置を受けており、配給禁止は映画への反発から優遇措置が損なわれることを懸念したためと報じている。
 ディズニー側はこれを否定しているが、一方で「会社の利益を損なう映画の配給を止める権利がある」とも説明している。また、配給取りやめは昨年ムーア氏側に伝えたといい、「評判づくりのために映画祭直前になって公にした」と批判している。