2004/05/10

自治体再編論議に関して

市町村合併の流れは進んでいるようであるが、やはりこの手の議論は、地方と都市とで、どこに生活しているかにより、どうしても、感覚的に合致しがたい部分がる。
私は横浜市民である。340万人の日本で二番目に大きい都市で、日本でもっとも大きい直近の行政単位に生活している。仙台市、さいたま市、北九州市を併せたよりも大きいと思ってもらえれば、その規模がわかるだろう。東京とは23特別区があり、800万人以上いても、各区で区長を公選し、区議会も存在している。
50万前後の市の結合体であると考えてもよい。
横浜は、普通の政令指定都市であるために、市としての権限は他の市よりも大きい。しかし横浜市の区は、東京都は異なり、区長は公選ではなく、区議会も存在しない。市民が参政権の行使によりアクセス可能な行政単位はいきなり340万人の単位となる。そのようなところはほかに存在しない。
自治体再編論が地方分権の流れであるととらえるならば、現在の横浜市の各区民は、地方内中央集権体制に置かれていることになる。
さらにいうと、横浜市は市内の交通の利便が思ったほどよくなく、さらにはそれなりに広大であるために、生活基盤がまったく異なる。私の住んでいるところは、海からは遠く、裏は畑であり、自転車でしばらく行けば、豚小屋もある。また、ちょっと足を伸ばせば蛍も飛んでいる。そこまで極端に言わなくても、たまプラーザの住民が大船の住民と利害を共通にすることなどほとんどないといってよいだろう。東海道文化圏と東急田園都市線文化圏とでは、相当程度かけ離れている。
一体、このようなことを言い出して、何につなげたいと思っているのかと、疑問に思うかもしれないが、地方分権は、住民自治をよりよく実現させる目的に尽くすという観点からすると、横浜においては、市町村分割がふさわしいのではないだろうか?
三つに分けたとしても、政令指定都市であることに代わりはなく、ダウンサイジングすることにより、利害調整はより小回りがきくようになる。
大きければよいのではないというのが、都市特有の悩みである。

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